Snowflake、企業データの有効活用を支援するAIエージェントを発表

Sabrina Ortiz (ZDNET.com) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)

2025-06-04 09:35

 クラウドベースのデータストレージを手がけるSnowflakeは米国時間6月3日、年次ユーザーカンファレンス「Snowflake Summit 2025」で数々の新機能を発表した。中でも最大の目玉は、企業が自社のデータをより効果的に活用できるよう支援するエージェント型人工知能(AI)ソリューションの「Snowflake Intelligence」と「Data Science Agent」だ。

 エージェント型AIが台頭する中、Snowflakeもこの急成長中のテクノロジーを採用し、組織内のデータを分類、分析、理解する取り組みを最適化できる製品を提供する企業の仲間入りをすることになった。

Snowflake Intelligence

 AIチャットボットが人気を集めているのは、シンプルな会話形式のテキストプロンプトで目的の情報を見つけやすくしてくれるからだ。Snowflake Intelligenceはこの機能を企業データで利用できるようにし、ビジネスユーザーが単一の統合プラットフォーム上で自然言語クエリーを使ってデータからインサイトを得られるようにした。

 この機能は、OpenAIとAnthropicの大規模言語モデル(LLM)、およびSnowflakeの「Cortex Agents」を活用したもので、構造化データ(テーブルなどの標準化された形式で適切に整理されたデータ)と非構造化データ(文書やメールなど)の両方からインサイトを引き出せる。そのため、AIツールを導入する企業がよく直面する、データが適切に構造化されていないという技術的課題を解消できる。

 また、Snowflake Intelligenceはインサイトを生成できるだけでなく、データを可視化したり、「Cortex Knowledge Extensions」を通じてサードパーティーの情報源にアクセスしたりすることもできる。Cortex Knowledge Extensionsは、Stack Overflow、The Associated Press(AP)、USA TODAYなどの専門的なコンテンツを取り込める拡張機能で、近日中に「Snowflake Marketplace」で一般提供されるという。

Data Science Agent

 機械学習(ML)ワークフローの構築を担うデータサイエンティストに対する需要は依然として高い。Data Science Agentは、Anthropicの「Claude」を活用し、データの分析、準備、トレーニングといった手作業の一部を代行することで、MLチームを支援しようとしている。

 Snowflakeによれば、このエージェントは「検証済みのソリューションを完全に機能するMLパイプラインの形で提供し、『Snowflake Notebook』から簡単に実行できるようにする」という。そのため、データサイエンティストはより重要度の高い業務を優先したり、MLのユースケースをアイデアから実行に移すまでにかかる時間を短縮したりできるようになる。

提供:Evorona/Getty
提供:Evorona/Getty

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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