野村総合研究所(NRI)は、Boxの「Enterprise Advanced」プランを国内で初めて導入した。Box Japanが6月4日に発表した。AIを活用したコンテンツワークフローの構築により、組織全体の生産性向上を目指すという。
NRIは、企業のDXパートナーとして顧客に寄り添ったコンサルティングサービスを提供しており、自社のDX推進にも積極的だ。2019年に「Box」を導入し、安全なファイルアクセスと急増するコンテンツの管理基盤として活用してきた。
これまでNRIでは、2024年3月にリリースされた「Box AI for Documents」と「Box AI for Notes」を用いて、コンテンツの要約やメモ作成といった個人レベルでの生成AIの活用を進めていた。今回、より高度なコンテンツ管理と組織全体の生産性向上を目指し、「Enterprise Advanced」プランの導入を決定した。
同プランの導入により、広報資料作成におけるAIエージェントの活用や、契約情報の自動抽出による入力業務削減、ヘルプデスクの問い合わせ業務におけるAI活用などが実現する。例えば、広報資料作成では、AIエージェントが原案作成やガイドライン準拠確認を支援し、業務効率化に貢献する。また、契約書情報の自動抽出により、手作業での入力ミスを減らし、契約の進捗(しんちょく)状況を可視化することで、新たなリスクの早期発見にもつなげる。
NRIは今回の導入について、単なる自動化ではなく、「やらなくてもよい業務」を見極め、人が集中すべき価値ある業務に注力するためだとしている。さらに、社内に分散していた情報資産を一元管理し、AIとデータ、ワークフローを連携させることで、組織全体の生産性向上と新たなビジネス価値創出を目指すという。