物流倉庫の自動化・省人化の最前線--野村不動産が手掛ける「習志野 Techrum Hub」

加納恵 (編集部)

2025-06-05 12:43

 野村不動産は6月4日、物流に関する課題を解決する効果検証拠点「習志野 Techrum Hub(テクラムハブ)」(千葉県習志野市)を公開した。実際に物流機器を稼働させ、荷主企業のニーズに合った自動化・省人化ソリューションの事例を間近で見られる。

「習志野 Techrum Hub」には、30社60以上のソリューションが見学できる
「習志野 Techrum Hub」には、30社60以上のソリューションが見学できる

 習志野 Techrum Hubは2021年に物流施設「Landport習志野」に併設する形で開設。ロボティクスやICT、搬送機器といった物流関連技術を持つパートナー企業とともに、自動化・省人化ソリューションを提案する。

 現在、30社60以上のソリューションを見学でき、入荷から出荷まで一連の流れに沿った形で見られることが特徴。「デモ会」と呼ばれる見学会には、2025年3月までの間に421社が参加したという。

 労働人口の減少に伴い、現場での人材確保が困難になる中、物流拠点ではスポット人材の活用なども増えている。しかし、品質にばらつきが出るなどの課題も顕在化している。

 作業を自動化したいと考える物流企業は多いが「何から着手すればいいか分からない」「複数の似ている機器があり、選定が難しい」などの悩みがあり、自動化は進んでいない現状もあるという。習志野 Techrum Hubでは、実際に稼働する機器を間近で見ることで、機器の特徴を理解し、最適な選択をサポートする。

 野村不動産では「現場の品質を維持・向上しながら仕事量をこなすには自動化が不可避」としながらも、「(自動化・省人化を実現する)ロボットの導入がゴールではなく、自社の倉庫やオペレーションにどう活用するか体感してほしい」とデモ会の参加者に呼びかけているとしている。

無人フォークリフト(AGF)によるパレット搬送。人間による操作もできるハイブリッド設計になっている。通常AGFはカメラやLiDARを使って自己位置を把握しているが、このモデルは天井に貼った二次元コードのシールで移動している。

無人フォークリフト(AGF)によるパレット搬送。人間による操作もできるハイブリッド設計になっている。通常AGFはカメラやLiDARを使って自己位置を把握しているが、このモデルは天井に貼った二次元コードのシールで移動している。

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]