NTTPCコミュニケーションズは6月4日、企業向けネットワーク&セキュリティサービス「Prime ConnectONE」において、NTTPC独自のAIエージェントを活用し、運用業務を自動化・効率化するAI機能(AIOps)を6月30日から販売開始すると発表した。

NTTPCコミュニケーションズ サービスクリエーション本部 本部長 三澤響氏
説明を行った同社のサービスクリエーション本部 本部長の三澤響氏は、同社が提供するPrime ConnectONEのコンセプトを「AIを活用し、ICTインフラ運用のお客さま稼働を軽減するネットワーク&セキュリティサービス」だと紹介。ユーザー企業の「慢性的な人材不足」「攻めのデジタルトランスフォーメーション(DX)に稼働が取れない」「ネットワーク/セキュリティ対策の複雑化」といった課題に対し、同社が持つ「通信キャリアの運用ノウハウ」を「AI活用」によって提供することで運用負担軽減を実現していくものだと語った。
Prime ConnectONEで提供される「AI機能」のコンセプトを同氏は端的に「運用レス」と語り、運用を完全にゼロにするのは難しいとしつつも、「手間要らずな運用」「管理ツールの操作回数が最低限な運用」「ほかの担当者でも運用可能(引き継ぎ要らず)」を目標としているとした。
今回提供されるAI機能は、「AIエージェントからの異常発生プッシュ通知」と「ルーターなどの画像診断による故障切り分け」の2つだ。AIエージェントからの異常発生プッシュ通知では、WAN側で異常が発生した際、AIエージェントがユーザーのメールやチャットツールにプッシュ通知を行う。トラブル発生時に根本原因を突き止めて解決するために、まずどこで何が起こったのかを明確にする「切り分け」作業が必要だが、これには知識やノウハウが求められる。ユーザー側は、従来使い慣れたメールや各種チャットツールといったインターフェイスをそのまま使い続けながら新しいAIエージェントの機能を活用し、切り分け作業の負担を軽減できる。画像診断による故障切り分けでは、ルータなどのネットワーク機器の動作状況を示すインジケーターランプを撮影してメールで送付すると、AIエージェントが画像診断を行い、故障箇所や対応策をメールで回答するもの。
異常発生プッシュ通知のイメージ
画像診断による故障切り分けイメージ
このほか、新たなダッシュボードも提供される。「Silent UX」というコンセプトに基づいてデザインされたダッシュボードで、「ユーザーのアクションやアテンション数を極力削減しながら、簡単操作で運用可能」だという。エンドユーザー向けとパートナー向けが用意され、パートナー向けダッシュボードからはパートナーがサービスを提供するエンドユーザーが一覧表示できるほか、ドリルダウンしてエンドユーザー向けダッシュボードを表示することでエンドユーザーが見ている表示を直接確認しながらサポートを提供することも可能になっている。
新機能の提供開始時期は、故障切り分けが7月、メール通知が7月、チャット通知が9月、画像診断による故障切り分けが9月となっている。また、2025年9月から新パートナープログラムを開始予定。なお、今回発表された新機能はPrime ConnectONEの基本料金に含まれるほか、今後高機能版(有料)メニューも提供予定となっている。
今後の展開について