さくらインターネットとJERA、電力インフラ連携型のデータセンター新設へ

NO BUDGET

2025-06-05 16:34

 さくらインターネットとJERAは、電力インフラと連携したデータセンター(DC)新設に向けた検討に関する基本合意書を6月5日に締結した。AI技術の発展に伴うDCの電力消費増大という社会課題に対し、両社の強みを生かして解決を目指す。

 近年、AI技術の著しい進歩は社会を便利に、豊かにする一方で、その基盤となるDCは多大な電力を消費するという課題が顕在化している。さくらインターネットはAI需要に対応する基盤整備を進めつつ、増大する消費電力の脱炭素化に再生可能エネルギーを活用してきた。

 一方、JERAは安定供給と脱炭素化を両立するニーズに応えるため、クリーンエネルギー供給基盤の構築を進めている。大規模かつ低炭素・脱炭素な電力供給に取り組むJERAと、再生可能エネルギーにとどまらずクリーンな電力活用による脱炭素化を目指すさくらインターネットは、相互の強みを生かし社会課題解決に貢献できると判断した。

 今回の合意に基づき、JERA所有の既存発電所構内でのDC整備を検討する。これにより、JERAのクリーンな電力を活用したデジタルインフラをさくらインターネットが提供可能となる。

 両社は、電力と通信の連携(ワット・ビット連携)を推進し、産業構造の高度化に不可欠なDC整備を加速する。国内の「デジタル赤字の解消」「電力インフラの効率的な活用」「脱炭素への貢献」「日本の産業競争力の強化」の実現を目指す。

 今後の主な検討内容は、東京湾内をはじめとするJERA所有の液化天然ガス(LNG)火力発電所構内におけるDC整備の実現可能性についてだ。さくらインターネットがDC用地としてJERAの発電所構内を利用する諸条件や、JERAのLNGを活用した冷熱供給についても検討する。さらに、DC設備への電力供給および各種技術による供給電力の脱炭素化も視野に入れている。

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