ソフトバンクと米Databricks(データブリックス)は、データブリックスのAIデータ基盤「データ・インテリジェンス・プラットフォーム」を活用した「データアドバイザリーサービス」の提供を、6月5日より開始した。これは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」の投資先であるデータブリックスとの連携によるものだ。
ソフトバンクは、日本の企業に対し、AIデータ基盤の提供に加えて、データ活用に向けた要件定義やガバナンス策定、体制構築といった上流コンサルティングも手がける。企業はこの「データアドバイザリーサービス」を利用することで、導入準備からデータ活用戦略まで、包括的な支援を受けられる。これにより、売上データや顧客情報をリアルタイムで分析・可視化し、データに基づいた意思決定を促進できる。

データアドバイザリーサービスの概要

データブリックス「データ・インテリジェンス・プラットフォーム」の概要
データブリックスの「データ・インテリジェンス・プラットフォーム」は、顧客データと最適化したAIモデルを組み合わせ、意思決定を支援するAIデータ基盤だ。ソフトバンクは、このプラットフォームを用いて、環境構築から利活用全般にわたるワンストップ支援を提供し、データ収集からAI活用までを円滑に進める体制を構築する。
ソフトバンクによると、AIやデータの利活用は企業にとって重要なテーマになっているが、部門や用途ごとにデータが分断され、有効に活用できていないという課題があるという。データブリックスのプラットフォームは、非構造化データを格納するデータレイクと、構造化データを格納するデータウェアハウスを単一プラットフォームに統合できる。これにより企業は、あらゆるデータを一元的に蓄積・管理することが可能となる。
また、大規模データの迅速なリアルタイム分析や、AI開発基盤を用いた高度なデータ解析、AIモデルの構築も可能だ。ソフトバンクは2020年から同プラットフォームを導入し、財務情報や人事情報、基地局情報など、部門横断的なあらゆるデータを統合・分析し、経営の意思決定やマーケティングに活用している。個人情報などの高セキュリティレベルが求められるデータも、このプラットフォーム上で適切に管理・運用しているという。
今後ソフトバンクは、自社のデータ利活用環境構築の経験を生かし、「データアドバイザリーサービス」を通じて企業のデータとAIの効果的な活用を支援する。さらに、LINEヤフーなどのグループ会社が保有するビッグデータとの連携を促進していく。将来的にはOpenAIおよびソフトバンクグループが開発・販売に合意している、企業用最先端AI「クリスタル・インテリジェンス」(Cristal intelligence)との連携も見据えている。