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NTTが「IOWN 2.0」を大阪・関西万博で披露、リアルと仮想が融合する次世代通信の最前線

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2025-06-16 07:00

 NTTが進める次世代情報通信基盤「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想」の最新版として「IOWN 2.0」が、大阪・関西万博において本格的に披露されている。IOWNは、光ベースの通信とコンピューティングの融合により、超低遅延・大容量・低消費電力を実現する構想で、社会の基盤インフラそのものを革新する技術として期待を集めている。

 今回の万博会場では、IOWNの中核を成す「オールフォトニクスネットワーク(APN)」が実装され、リアルと仮想を融合した数々の体験が提供されている。会場内外の拠点を光伝送で接続することで、ドローンの遠隔操作や、多地点をつないで遠隔で合唱する取り組み、離れた場所からの没入型イベントへの参加など、従来のネットワークでは難しかった活用方法を提示している。

 注目の実証として、音楽ユニット「Perfume」のライブを活用した3D空間伝送が挙げられる。大阪府吹田市の万博記念公園で実施されたライブパフォーマンスを、IOWN経由で夢洲のNTTパビリオンにリアルタイムで伝送し、高精度な点群データと触覚提示技術を用いて、あたかもその場にいるかのような体験を提供した。IOWNが掲げる「空間と感覚の共有」を象徴するものだと言える。

 IOWN 2.0では、従来のIOWN 1.0を進め、データセンター間の光接続最適化、オンデマンド光パス切替、AI基盤との統合などを可能にしている。NTTはこれらの技術を「コグニティブ・ファウンデーション」の構想に組み込み、より自律的かつインテリジェントなネットワーク基盤を目指している。

 NTTは2030年を目標に、IOWNの社会実装を段階的に進めており、大阪・関西万博はその試金石となる。通信業界だけでなく、映像制作、遠隔医療、都市インフラ、教育、エンターテインメントなど、さまざまな分野の未来を支える技術として、IOWNが注目されている。

 ここでは、NTTのIOWN構想について伝える最新の記事を集めた。

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