「WWDC 2025」で発表された「iOS 26」の注目すべき新機能

Kerry Wan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-06-10 09:06

 「WWDC」の時期がやってきた。「iPhone」ユーザー、そして好奇心旺盛な「Android」ユーザーも、この一大イベントを見るべくモニターの前に集まっている。Appleが毎年開催するこの開発者会議では、どのような発表があるか予測できない。しかし、米国時間6月9日の基調講演が終わり、2025年後半に「iOS 26」(iOS 19から名称変更)が正式にリリースされることで、iPhoneの操作性がどのようになるのか、その全容が明らかになったと言える。

 iOS 26の新機能を見ていくと、確かなことが1つある。それは、AIが目立たなくなり(派手さはないが、依然として便利)、実用性が再び前面に出てきたということだ。グループチャットでのユーザーのやりとりから、スマートフォンでの支払い方法に至るまで、iOS 26は日々の体験を効率化し、既存ユーザーがAppleのアプリやサービスを使い続ける理由をさらに提供することに重点を置いている。

 iOS 26の新機能を順不同で以下にまとめた。開発者向けベータ版を試すか、9月の正式版リリースまで待つかにかかわらず、これらの情報から何が期待できるか把握できるだろう。

1. 新しい「Liquid Glass」の外観

提供:Apple
提供:Apple

 2025年のWWDCで発表されたiOS 26およびその他のOSアップデートにおける大きな変更点は、新しい「Liquid Glass」の外観である。これは「visionOS」に触発され、アプリアイコン、設定、その他のさまざまなユーザーインターフェース要素が、半透明でガラスのようなデザインに刷新された。

 Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるCraig Federighi氏は、「ロック画面やホーム画面から、ユーザーが最も重要なつながりに集中できるようにする電話アプリやメッセージアプリの新しい機能に至るまで、体験はより表現豊かでパーソナルなものになった」と述べている。

 ガラスのような見た目と、Appleの機器が持つなめらかな動きのおかげで、新しいソフトウェアのデザインは、タップやスワイプといった操作だけでなく、スマートフォンの持ち方にも反応する。Liquid Glassの色彩は、画面に表示されているものに合わせて変化する。

 このデザイン変更に対応するため、メッセージ、電話、カメラといった人気アプリのアイコンに視覚的なアップデートが施された。ツールバーやタブは従来のドロップダウンリストではなく、丸みを帯びたメニューに再設計された。これにより、ソフトウェアを操作する際の邪魔にならず、集中を妨げない体験が促進される。

 Liquid Glassは、「iOS 18」のアイコンスタイルを引き継ぎつつ、透明感のあるアイコンデザインが取り入れられている。

2. ロック画面とホーム画面の変更

 次に、ロック画面にはLiquid Glassでできた時刻と日付のウィジェットが新たに搭載された。アプリアイコンも壁紙とのコントラストを強め、見分けやすく設計されている。

 新しいダイナミックロック画面ウィジェットは、壁紙を変更すると時計のサイズが変化し、空いているスペースが多いほど拡大する。また、ロック画面の壁紙から空間シーンを生成し、iPhoneを左右に動かすとより奥行きと現実感を生み出すことも可能である。

3. カメラアプリのインターフェースがよりシンプルに

 新しいカメラアプリは、動画と写真の撮影切り替えが前面中央に配置され、より合理化されたデザインになる。横にスワイプすると空間記録のようなよりユニークな撮影モードが表示され、アプリ上部の設定をタップすると、FPSや解像度など、複数の切り替えが一覧表示される。

 関連して、写真アプリは「ライブラリー」と「コレクション」にタブが分離された。

4. メッセージアプリに翻訳機能、投票機能などを追加

提供:Sabrina Ortiz/ZDNET
提供:Sabrina Ortiz/ZDNET

 「Apple Intelligence」は、グループチャットのスレッドで投票機能が適切であると判断した場合にそれを提案し、意思決定を助ける。グループ内のユーザーは、提案された内容に満足できない場合でも、投票を修正できる。

 iOSに新しく追加され、待望されていたもう1つの機能は、Appleがリアルタイムテキスト翻訳を導入したことである。iPhoneは、非英語の着信テキストメッセージを自動的に検出し、表示時に英語に翻訳する。

 逆に、iOS 26では、iPhoneが発信メッセージを希望する言語に翻訳することも可能になる。この機能は、これまで競合プラットフォームやサービスでしか利用できなかったものである。

 グループチャットでは、ついにテキスト入力インジケーターが搭載され、誰が入力しているかをリアルタイムで確認できるようになった。着信テキストメッセージはApple Intelligenceによるスクリーニングを受け、スパムや未知の送信者からのメッセージは専用のタブにフィルタリングされる。

 グループチャットに背景写真を設定したり、Apple Intelligenceで生成したりできるようになった。

5. CarPlayのデザインを刷新

 iOS 26のLiquid Glassテーマは「CarPlay」にも適用され、ライトモードとダークモードのオプションが利用可能になる。ユーザーが電話やテキストメッセージを受信すると、ダッシュボードに小さな通知として表示され、注意散漫を軽減する。

 また、タップバックでテキストメッセージに返信したり、ピン留めされた会話にアクセスして、より目的に特化したユーザーインターフェースを利用したりすることも可能になる。

 Live Activitiesはマップナビゲーションの横に表示でき、飛行機の出発時刻や荷物の配達状況などを常に最新の情報で把握できる。

 「CarPlay Ultra」もこのデザイン刷新の対象となるが、同ソフトウェアは一部のプレミアムモデルに限定される。

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