家具・インテリア大手のニトリは、アプリマーケティングツール「Repro App」を公式アプリに導入した。これにより、2200万人を超えるアプリ会員への大規模かつパーソナライズされた通知配信が可能となり、オムニチャネル戦略をさらに強化する。Reproが6月10日に発表した。
ニトリはリアル店舗と電子商取引(EC)を融合させるオムニチャネル戦略を推進しており、その中で公式アプリを顧客接点の中心に据えている。商品検索から店舗在庫確認、購入履歴管理までを一元化することで、オンラインとオフラインの連携を強化し、顧客体験価値の向上を図ってきた。
同社はアプリを中心とした施策を通じて、顧客の一人一人を「個客」として捉え、店舗とECを併用する顧客の拡大に注力している。会員数の増加に伴い、従来のアプリマーケティング基盤では、大量配信時のパフォーマンスや、ユーザーごとに最適なタイミングでの通知配信が困難になっていたため、基盤の刷新が急務となっていた。
新たなツールの選定では、「リアルタイム性を持った大量のプッシュ通知配信」と、「ユーザーの行動・属性に応じたこまやかなコミュニケーション設定」が特に重視された。その結果、十数社のツールの中からRepro Appが採用された。
採用の決め手は、誰に・何を・いつ届けるかというコミュニケーションの本質を、システム面と運用面の両方から確実に実現できる点が高く評価されたためだ。具体的には、数百万以上のプッシュ通知を同時配信できる強固な基盤や、エンジニアスキル不要でマーケティング担当者でも直感的に使えるUIが評価された。さらに、導入前の技術サポート体制や、中長期的な展開を見据えた柔軟な設計、そして豊富な導入実績も採用を後押ししたという。
今回の導入では、まず一部のプッシュ通知配信についてRepro Appが担い、段階的にセグメント配信やシナリオ配信へと施策を拡張する予定だ。Reproは今後、ユーザーの行動や属性データを活用したシナリオ設計や、CDPとの連携による通知配信なども視野に入れ、少人数体制でも高頻度なPDCAを可能にするUIと運用環境を提供していく。
今後、ニトリでは、店舗・サイト・購買データなどアプリ外の情報も統合し、顧客体験全体の最適化を目指す。