「Windows 11」のスタートメニューには以前から不満を感じていた。個人的には、見た目が洗練されておらず、操作性もいまひとつで、自由にカスタマイズするのも難しいと感じていた。同じように感じている人にとって朗報なのは、Microsoftが同機能を見直し、課題に対応しようとしていることだ。
現在、「Windows 11 Insider」向けに新しいスタートメニューの提供が始まっている。これを試すには、Devチャネルの最新のInsiderビルドをインストールしている必要がある。Insiderプログラムに参加しているユーザーであれば、Microsoftが米国時間6月9日に公開したブログ記事で、詳しい内容を確認できるはずだ。
スタートメニューに対する不満の1つは、アプリに割り当てられているスペースが限られていることだ。全てのアプリを確認するには画面に切り替えなければならない。しかし、新しいスタートメニューでは、上部にある「すべて」をクリックするだけで、画面を切り替えることなくアプリ一覧がその場で展開される。リストを下にスクロールすることで、アプリの全体像を簡単に確認でき、セクションの開閉もスムーズに行える。
新しいスタートメニューは、下部にもアプリを表示する。ここでは、グリッドとカテゴリーの2つの表示を切り替えられる。グリッド表示では、全てのアプリとフォルダーがアルファベット順に表示される一方、カテゴリー表示では、アプリが自動的にラベル付きのフォルダーに整理される。
関連するアプリが3つ以上あると、自動的に特定のカテゴリーが作成される。それに満たない場合は、「その他」というカテゴリーにまとめられる。よく使うカテゴリーやアプリは、すぐにアクセスできるようにスタートメニューの上部に表示される。表示形式はグリッドとカテゴリーの2種類があり、簡単に切り替えられる。また、最後に使用した表示形式が記憶される。
既存のスタートメニューには、画面スペースが無駄に使われているという課題もある。一方で、新しいスタートメニューでは、表示領域がより効率的に活用されており、アプリの一覧やグリッド/カテゴリー表示が画面の大部分を占めるようになっている。
さらに、スタートメニューのサイズは、使用しているデバイスの画面サイズに応じて自動的に調整される。小型のノートPCでは、ピン留めされたアプリが6列、カテゴリーが3列で表示される。一方、大型のデスクトップモニターでは、アプリが8列、カテゴリーが4列と、より多くの情報が一度に表示されるようになる。また、おすすめアプリのセクションも表示されるが、同機能をオフにしている場合は、実質的に非表示となる。
各セクションのサイズも、表示される内容に応じて自動的に調整される。ピン留めされたアプリが少ない場合、そのセクションは1行に縮小され、空いたスペースには他のセクションが上にスライドして表示される仕組みとなっている。
最後に、新しいスタートメニューには「パートナー」と呼ばれるスマートフォン連携用の画面が追加された。この新しい画面は、通常のスタートメニューの右側に表示され、スマートフォンの情報を確認できるようになっている。現在の接続状況やバッテリー残量、最近通話やメッセージをやりとりした相手の名前などが表示される。
この連携画面は、必要に応じて拡縮できる。「iPhone」と「Android」の両方に対応しており、現在は多くの地域で利用可能である。さらに、年内には欧州経済領域(EEA)でも提供が開始される予定となっている。
Windows 11のスタートメニューがあまりにも使いにくいため、筆者はこれまでずっと代替のスタートメニューを使い、他の人にも勧めてきた。
では、刷新されたスタートメニューは、これまで不満を抱えてきたユーザーにも試してみたいと思わせるものになっているだろうか。個人的には、「Windows 7」時代の伝統的な2列スタイルのメニューの方が今でも好みだが、この新しいデザインやレイアウトにも、もしかすると慣れてくるかもしれないぜひ自身で試してみて、どんな印象を持つか確かめてみてほしい。
Insiderビルドをインストールしたくない場合でも心配はいらない。Microsoftは、おそらく2025年中にこの新しいスタートメニューを通常のWindowsアップデートとして一般ユーザー向けにも提供するだろう。

提供:Microsoft
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。