Amplitude、AIエージェントでプロダクト分析を自動化する「Amplitude AI Agents」を提供

NO BUDGET

2025-06-11 14:01

 デジタル分析プラットフォームを提供するAmplitudeは6月11日、「Amplitude AI Agents」の提供を開始した。AIを搭載したこのソリューションは、ユーザー行動の分析や改善案の提示といった、これまで専門知識やリソースを必要としていた業務を自動化し、プロダクト改善をより身近なものにする。

 多くのプロダクトチーム、マーケティングチーム、データチームは、人員や時間の制約の中で、データをどのように分析・活用し、意思決定につなげるかという課題に直面している。同社によると、ダッシュボードの確認やクエリーの実行、仮説のテスト、継続すべきアイデアの優先順位付けといった作業は膨大な時間と労力を要し、本来価値を生み出すべき戦略や施策の実行に十分な時間を割けないケースも少なくないという。

 AI Agentsは、こうした課題を解決するために開発された。チームが戦略立案やクリエーティブな問題解決に集中している間も、AI Agentsはデータを並行して監視し、パターンや変化を検出する。ユーザーセッションの分析から仮説立案、実験の実行、変更の適用、成果のモニタリングまでを自動で行うことが可能だ。また、コンバージョンやリテンション、エンゲージメント、キャンペーン効果など、重視すべき項目をAI Agentsに伝えることで、その項目に基づいた作業を開始できる。

 同ソリューションは企業による管理を前提とした設計で、安心して活用できる。自律性レベルは企業が自由に設定でき、段階的な活用を通じて、必要に応じたガードレールや制限を柔軟に加えることが可能だ。企業の承認がない限り、AI Agentsがユーザー向けの変更を実行することはなく、あくまで企業の一員としてビジネス目標の達成を支援する。

 Amplitudeは、各ユースケースに特化したAI Agentsを多数公開する予定だ。具体的なテンプレートには、パフォーマンス指標をリアルタイムで監視し、コンバージョン率の低下などを検知して原因を特定し、改善策を提案する「Webサイトコンバージョン エージェント」がある。また、ユーザーがオンボーディングプロセスでつまずくタイミングを特定し、ユーザーセグメントごとにカスタマイズされたアプリ内ガイドを自動作成する「オンボーディング エージェント」も提供する。

 さらに、異なるグループと最新のプロダクト機能とのエンゲージメントを分析し、価値を見出しているユーザーや離脱しているユーザー、導入率が高くなるユーザー行動を明らかにする「機能導入 エージェント」も提供する。そしてユーザーが有料機能へのアップグレードや購入、試用に前向きな兆候を検出し、最適なプロダクト内メッセージや特別オファーを提示して収益化を支援する「マネタイゼーション エージェント」などもある。

 これらのAI Agentsは、Amplitudeが持つ分析、セッションリプレイ、ウェブエクスペリメント、ガイドアンドサーベイといった包括的なデジタル分析プラットフォームの機能を活用する。企業がAmplitude内に保有するデータを横断的に活用し、Amplitudeが培ってきた数千もの成功手法をパターン化し適用することで、プロダクトのデジタル体験の質を飛躍的に高めることが期待されている。

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