相鉄ホールディングス(相鉄HD)は、ワークスアプリケーションズ(WAP)のERPパッケージソフトウェア「HUE Classicシリーズ」を、「HUE ACシリーズ(HUE)」へアップグレードした。これにより、これまで分散していた経費精算や請求書業務を「HUE」で一元管理し、会計システムとのシームレスな連携を実現する。WAPが6月12日に発表した。
HUEは、日本の大手企業向けに開発された国産ERPであり、6700以上の標準機能を備え、2200社以上の導入実績を持つ。今回、相鉄HDが採用した製品は、「HUE Financials & Strategy」(財務会計・管理会計)、「HUE Accounts Payable/Receivable」(債権・債務管理)、「HUE Asset」(固定資産管理)、「HUE Expense」(経費精算)、「HUEデジタルインボイス」(クラウド請求書送受信サービス)など8製品だ。
相鉄グループは、運輸業、流通業、不動産業、ホテル業など多岐にわたる事業を展開する企業集団だ。これまで会計の基幹領域では長年にわたり「HUE Classic」を利用してきた。しかし、経費精算システムはグループ各社で異なり、請求書管理も別のシステムを使っていたため、データの二重管理や画面切り替えの手間など、煩雑さが課題となっていた。
今回のHUEへのアップグレードでは、運輸業特有の款項目節(かんこうもくせつ)の科目体系や材料管理を含む固定資産管理機能を維持しつつ、経費精算と請求書業務をワンパッケージに統合できる点が評価された。これにより、ライセンスや導入コストを抑えながら、システム間のシームレスなデータ連携が可能となる。
アップグレードによって、最新のユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス(UI/UX)が提供され、利便性が向上する。新リース会計などの法改正にも無償バージョンアップで対応できるため、将来的な運用コストの削減にもつながるという。
また、クラウド請求書送受信サービス、HUEデジタルインボイスの導入により、会計と請求書業務のデータ連携がスムーズになり、業務全体の効率化が期待される。国際的な電子取引の通信規格「Peppol」にも対応しているため、今後普及が進めば、請求から支払い、入金消込までの業務自動化も見込めるという。