日立製作所(日立)と東武鉄道が提供する生体認証サービス「SAKULaLa」が、宇都宮東武ホテルグランデ内のレストラン4店舗で利用できるようになった。指をかざすだけで安全かつ手軽に決済や年齢確認ができるため、誰もが使いやすいデジタルサービスの普及に貢献する。6月12日、日立が発表した。
利用者は、氏名や生年月日などの情報とクレジットカードを登録し、専用端末で指静脈情報をひも付けることで、手ぶらでクレジットカード決済や年齢確認が行える。これにより、デジタル技術に不慣れな人でも安心してキャッシュレス決済を利用できるようになり、デジタル格差の解消にもつながる。

東武宇都宮ホテルグランデ内レストランでの「SAKULaLa」利用の様子
同サービスは、2024年4月にサービスが開始されて以来、2025年3月時点で7000名以上が利用している。スマートフォンやICカードを使わずに、指をかざすだけで、デジタル空間に保存された個人の属性情報(デジタルアイデンティティ)へ安全にアクセスできる。業界を横断して決済、ポイント付与、本人確認といったさまざまなサービスをワンストップで提供可能だ。生体認証には、日立が提供する公開型生体認証基盤(PBI)に対応した「生体認証統合基盤サービス」と、日立指静脈認証装置「C-1」を使用しており、高いセキュリティを実現している。
今後は指静脈認証と顔認証を組み合わせたマルチモーダル対応を進める予定だという。決済や本人確認、ポイント付与にとどまらず、多様な用途に対応することで、人々の生活をより便利で豊かにする社会インフラの構築を目指す。