さまざまなLinuxディストリビューションの世界

「macOS」風の「Linux」ディストロ5選--「Intel Mac」のサポート終了に備え

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2025-06-14 07:00

 すでに知っている人もいるかもしれないが、AppleはIntel製のプロセッサーを搭載した「Mac」(Intel Mac)の複数モデルに対するサポートを終了すると発表した。「macOS Tahoe 26」のリリースに伴い、Intel Macのサポートが終了する。ただし、Appleはこれらのマシンに対して約3年間、重要なセキュリティアップデートの提供を継続する予定である。一方で、新機能は追加されない。

 その3年間のサポート期間が終了すると、 Intel Macには何も提供されなくなる。だが、希望はある。それは「Linux」だ。

 そう、LinuxはMacにもインストールできる。手順は、ノートPCやデスクトップにLinuxをインストールする場合とほぼ同じだ。筆者の環境では正常に動作しない機能もあったが(ワイヤレス接続を機能させるためにWi-Fiドングルを使用する必要があった)、どれだけ正常に動作するかは、Macのモデルによって異なるはずだ。

 興味を持った方は、いくつかの点でmacOSに似ているLinuxディストリビューションを検討してみてほしい。macOSのクローンは存在しないが、よく似たデスクトップレイアウトのおかげで、macOSユーザーがあまりストレスを感じずに使用を開始できるディストリビューションがいくつかある。

1. 「elementary OS」

提供:Jack Wallen/ZDNET
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 macOSのような上品さはないかもしれないが(個人的には、もう少しガラス効果やぼかし効果が欲しい)、elementary OSは、macOS風のOSと聞いて、筆者が最初に思い浮かべるLinuxディストリビューションの1つだ。macOSと同じレイアウト(ドックとトップバー)、デスクトップ全体で一貫性のあるユーザー体験(UX)を備えている。動作も快適で使いやすい。

 elementary OSはユーザー体験を最も重視して設計および開発されており、この点で、開発者たちは見事な成果を上げている。全てのアプリがテーマに溶け込んでいるため、elementary OSの使用感は以前のバージョンのmacOSとよく似ている。elementary OSの開発チームは極めて厳格なガイドラインを公開しており、このディストリビューションにアプリを提供したい開発者はそれに従う必要がある。

 elementary OSは「Ubuntu」をベースとしているため、堅実な基盤やシンプルな「apt」パッケージマネージャー、必要な全てのアプリのインストールに使用できる「Flatpak」が含まれている。elementary OSは公式サイトから無料でダウンロードしてインストールできる(ただし、寄付も受け付けているので、このプロジェクトをサポートしたい人は寄付を検討してほしい)。

2. 「Zorin OS」

提供:Jack Wallen/ZDNET
提供:Jack Wallen/ZDNET

 Zorin OSの無料バージョンでは、4種類のデスクトップレイアウトを利用できるが、有料の「Pro」バージョン(47.99ドル)を購入すると、さらに6種類のレイアウトが利用可能になる。そのうちの1つは、macOSにそっくりだ。さらに、Zorin OSは(背景をぼかすのではなく)少し透明感を出すことで、より上品な外観に仕上げている。

 elementary OSと違って、Zorin OSには「LibreOffice」や「Brave」ブラウザー、「Evolution」グループウェアスイートなど、複数のアプリケーションがプリインストールされている。Zorin OSもUbuntuをベースとしているため、強力なハードウェア認識機能や優れたパッケージマネージャーを備えており、快適に動作する。

 ただし、macOS風のレイアウトを使いたい場合は、Proバージョンにアップグレードしなければならないことに注意してほしい。もちろん、無料バージョンでも、「GNOME」レイアウトを選択して、「GNOME Dash To Dock」拡張機能をインストールすれば、macOS風の外観にできる。

3. 「Ubuntu Budgie」

提供:Jack Wallen/ZDNET
提供:Jack Wallen/ZDNET

 筆者はずっと前からUbuntu Budgieが大好きだ。Ubuntu Budgieは、筆者がLinuxに関して気に入っていることの2つ、つまりUbuntuディストリビューションと「Budgie」デスクトップを融合させたものなので、好きになる要素しかない。Ubuntu Budgieの便利な機能の1つは、macOS風のドックとWindows風のパネル、その他の複数のレイアウトを簡単に切り替えられることだ。Ubuntu Budgieでは複数のテーマが用意されており、以前のmacOSリリース(「WhiteSur」や「Mojave」など)をベースとしたテーマも含まれている。

 筆者が現在愛用しているのは「Pop!_OS」だが、今後もし別のLinuxディストリビューションに乗り換えることがあるとしたら、それはUbuntu Budgieだろう。実は、数年前にPop!_OSからUbuntu Budgieに乗り換えたことがある。その後、System76の新しい「Thelio」デスクトップを購入したため、Pop!_OSを再び常用するようになった。

 Ubuntu Budgieは無料でダウンロードしてインストールできる。公式ダウンロードサイトからISOファイルを入手して、USBフラッシュドライブに書き込んだら、起動して、この素晴らしいOSをインストールしてほしい。

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