Interop Tokyo 2025、ネットワーク技術の最前線--未来の技術を一足先に体験 - 5/8

加納恵 (編集部)

2025-06-13 15:10

 ネットワーク技術の展示会「Interop Tokyo 2025」が6月11日、千葉・幕張メッセで開幕した。2025年のテーマ「社会に浸透するAIとインターネット」が示すように、AIが社会に深く根差す中で、インターネットが果たすべき役割と、その未来像を提示する場になっている。

「Interop Tokyo 2025」会場内
「Interop Tokyo 2025」会場内

 会期は6月13日まで。オンライン登録制で、展示会・講演は無料だが、「Interop Tokyo カンファレンス」は有料になる。Interop Tokyoのほか、「Digital Signage Japan」「Vision AI Expo」「Apps Japan」の計4つのイベントが同時に開催されており、出展者数は532社(2024年は542社)、小間数は1674小間(同1664小間)。

 Interop Tokyoは1994年に日本で初めて開催。「インターネットの黎明(れいめい)期から約30年を経て、その役割は大きく変化した。2025年は展示会、基調講演、カンファレンス、そして最大の特徴である『ShowNet』の4つの柱で構成している。ネットワークインフラ技術だけでなく、その応用分野までカバー領域を拡大した」(Interop Tokyo 2025 総合プロデューサー/ナノオプト・メディア 代表取締役社長の大嶋康彰氏)とその変遷を話す。

Interop Tokyo 2025 総合プロデューサー/ナノオプト・メディア 代表取締役社長の大嶋康彰氏
Interop Tokyo 2025 総合プロデューサー/ナノオプト・メディア 代表取締役社長の大嶋康彰氏

 会場では「インターネット宇宙サミット」「インターネットメディアサミット」「データセンターサミット」「教育AIサミット」の4つのサミットも実施。2025年が初開催という教育AIサミットについては「教育現場でAIをどのように使うのか、またインターネット業界の方々も教育現場でどのように役立っているのかを感じてほしい」(大嶋氏)とコメントした。

 Interop最大の特徴となるShowNetは、最新のネットワーク機器やプロトコルを実際に接続・運用し、相互接続性を検証する場。2025年は約2300の製品・サービスがコントリビューションされ、総勢828人のメンバーが関わったという。

 ShowNet NOC チームメンバー ジェネラリストで国立天文台/北陸先端科学技術大学院大学の遠峰隆史氏は「ハードウェアだけではなく、クラウドなどのサービスも含まれ、扱うカテゴリーは年々増えている状況。構築に関わったメンバーの中には一般公募によるボランティアのSTM(ShowNet Team Member)プログラムメンバーも含まれ、さまざまな協力を得てShowNetは実現されている」と述べた。

ShowNet NOC チームメンバー ジェネラリストで国立天文台/北陸先端科学技術大学院大学の遠峰隆史氏
ShowNet NOC チームメンバー ジェネラリストで国立天文台/北陸先端科学技術大学院大学の遠峰隆史氏

 会場内ではUTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブルを24.8km、光ファイバーケーブルを7kmほど使用し、ホール全体のネットワークを構築。会期中に来場者も含めて利用できるWi-Fiのアクセスポイントも多数設置されていた。

 昨今、注目の高まっている消費電力については「AIの利用拡大により、データセンターの消費電力が急増している現状を受け、ShowNetでは消費電力の抑制に力を入れている」(遠峰氏)とし、省電力化を推進。電源分配器(PDU)からアウトレット(口)単位で消費電力を取得したほか、ラックに取り付けられた温湿度センサーや装置内の温度、ファンの回転数などから環境情報を入手。スイッチやルーターで未使用のカード、ポートを無効化するなどして省電力化を検証しているという。

 来場者向けのフリーWi-Fiには、Wi-Fi 7対応製品を導入し、広帯域で高速な環境を用意。Wi-Fiの可視化や品質管理にも取り組み、多くの人が利用する環境でも高品質なサービスを提供できるようにしたという。

 今回初の挑戦として、キャリア5Gとの連携を強化。5G閉域サービスによるセキュア高信頼なラストワンマイルを提供したほか、イベント会場の映像の伝送検証などを実施した。

 遠峰氏は、STM(ShowNet Team Member)プログラムにも触れ「ShowNetは、設計構築メンバー、機器提供のコントリビューター企業のエンジニア、そしてボランティアメンバーであるSTMの三位一体で構築されている。STMプログラムは若手エンジニアや学生が短期間でネットワークの構築・運用・撤収までを軽々できる基調な学びの場」と紹介。ビジネスチャンスの場だけではない役割を果たすShowNetの取り組みについても話した。

高密度パッチパネル/ロボット配線システムには、多数のファイバーケーブルが集約されている。ロボットパッチの導入により、各ラック間の接続を自動で切り替えられるとのこと。これにより、従来の複雑な手動配線による構築と重労働、エラーの解消につながる。データベースで管理された接続情報により、設定変更のみで迅速な接続の追加・変更が可能となり、構築の迅速化に大きく貢献しているという。

高密度パッチパネル/ロボット配線システムには、多数のファイバーケーブルが集約されている。ロボットパッチの導入により、各ラック間の接続を自動で切り替えられるとのこと。これにより、従来の複雑な手動配線による構築と重労働、エラーの解消につながる。データベースで管理された接続情報により、設定変更のみで迅速な接続の追加・変更が可能となり、構築の迅速化に大きく貢献しているという。

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