インフォマートは、クラウドサービス「BtoBプラットフォーム」のシステム基盤を、従来の大規模メインフレーム環境から「Oracle Cloud Infrastructure (OCI)」へ移行した。6月20日に日本オラクルが発表した。今回の移行により、サービスの性能が向上し、データセンター関連コストを38%削減したという。
インフォマートは、請求書や受発注など、企業間取引における業務を効率化するクラウドサービスを提供している。主力サービスであるBtoBプラットフォームは、5月末時点で115万社以上が利用し、2024年度の総流通金額は62兆円を超えた。
従来、「Oracle Database」を含む大規模なメインフレーム基盤上で稼働していたが、既存環境の運用コストが高止まりしていたことに加え、利用社数の拡大や季節変動に伴う負荷の増減に柔軟に対応できないという課題を抱えていたとのこと。
今回OCIへの移行により、インフォマートでは、売上原価の約半分を占めていたデータセンター関連費用を38%削減。OCIの各種サービスを利用することでさらなる効率化と安定性の向上を目指すとしている。
移行に際しては「OCI GoldenGate」を活用し、限られたサービスメンテナンス時間内で移行を完了。データベース基盤を「Oracle Exadata Database Service」へ移行することで、高い拡張性と性能を発揮しているという。今回の移行は日鉄ソリューションズが支援した。
インフォマート 執行役員の中井康氏は「BtoBプラットフォームの利用企業数やデータ量が増加する中で、より高い柔軟性と拡張性を持つクラウド環境への移行が急務だった。今回Oracle Cloud InfrastructureとOracle Exadata Database Serviceを選定したことで、コストの最適化とパフォーマンス向上を同時に実現できただけでなく、繁閑に応じたリソースの調整や、将来のサービス拡張を見据えた基盤を強化できた。今後も、OCIサービスを活用し企業間取引のデジタル化をさらに推進していく」とコメントしている。