調査

国内サービス市場の実績と予測を発表--IDC調査

加納恵 (編集部)

2025-06-23 11:21

 IDC Japanは6月23日、国内サービス市場の実績と予測を発表した。IDCでは、国内を含むグローバル各地域の「サービス市場」におけるベンダー売上額と市場予測をデータ製品「IDC Worldwide Semiannual Services Tracker」として提供しており、サービス市場には、IT系のサービスで構成される「ITサービス市場」、およびビジネス/業務系サービスから成る「ビジネスサービス市場」が含まれる。それらをさらにコンサルティング/構築系の「プロジェクトベース市場」、運用、業務委託系の「マネージドサービス市場」、保守、トレーニング系の「サポートサービス市場」に分類している。

国内サービス市場予測(2024~2029年)
国内サービス市場予測(2024~2029年)

 国内サービス市場は全体的に順調な成長を示し、2024年の国内サービス市場の市場規模は、前年比7.2%増の8兆8166億円。2029年の国内の市場規模は12兆1651億円、2024~2029年の年間平均成長率(CAGR)は6.7%になるとIDCでは予測する。

 国内サービス市場では、デジタル化に向けた変革支援、レガシーシステムのクラウド移行やモダナイゼーション、デジタルイノベーションの実現に向けた新しいシステム開発の需要が高いことなどを背景に、プロジェクトベース市場が成長をけん引。2024年のプロジェクトベース市場の市場規模は前年比10.4%増の3兆5728億円となった。2029年の市場規模は5兆5159億円、2024~2029年のCAGRは9.1%とみている。

 マネージドサービス市場も、2024年は堅調な成長を示し、包括的なITアウトソーシングに加え、マネージドクラウドサービスやサービスプロバイダー向けコロケーションサービス、また人事、財務/経理、調達/購買などコア業務の外部委託の需要も高く、これらが当市場の拡大を押し上げています。2024年のマネージドサービス市場の市場規模は前年比5.2%増の4兆1380億円で、市場の拡大を押し上げているとのこと。

 2024年のマネージドサービス市場の市場規模は前年比5.2%増の4兆1380億円でした。2029年の市場規模は5兆3065億円、2024~2029年のCAGRは5.1%になると予測する。

 同じく堅調に推移したサポートサービス市場は、近年はSaaS型も含めてパッケージソフトウェアの活用の活発化に連動し、ソフトウェアサポート&保守サービスが本市場の成長をリードしているとのこと。2024年のサポートサービス市場の市場規模は前年比4.3%増の1兆1058億円でした。2029年の市場規模は1兆3428億円、2024~2029年のCAGRは4.0%になるとみている。

 Service Solutionsのシニアリサーチアナリストである吉井誠一郎氏は「国内サービス市場は、現時点で受注が好調なベンダーが多い。引き続きクラウド移行やモダナイゼーション、デジタルイノベーション実現への取り組みなどに牽引され、プロジェクトベース市場を中心に2025年も順調な成長を継続するとみられる。特に、AIの活用が、市場拡大の中心的なけん引役になるであろう。ただし中長期的には、米国Trump政権の関税政策が国内IT投資に与える影響について注視する必要がある」とコメントしている。

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