MIXIは、「モンスターストライク」のアプリケーションサーバーにオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入した。導入から約3カ月で、最重要イベントであるガチャの全体処理時間のうち約10%を高速化し、ユーザー体験の向上を実現している。New Relicが6月24日に発表した。
モンストは2024年の年間のモバイルゲーム収益で国内トップにランクイン(Sensor Tower調べ)し、2025年5月時点で世界累計利用者数は6400万人を突破している。同サービスのサーバーグループでは約10人のメンバーで大規模なシステムを安定稼働させているが、予測できない負荷への対応が課題となっていた。また、従来は自社開発の観測システムを使用していたため、問題発生時には一部のエンジニアに依存した対応となり、属人性を避ける標準的なツールへの移行が求められていたという。
MIXIがNew Relicを採用した理由として、導入の容易さに加え、既に社内の他チーム(「コトダマン」「家族アルバム みてね」)でNew Relicを導入しており、チームの垣根を超えてノウハウの共有ができる点を評価。アプリケーション性能監視(APM)を導入してすぐに、ユーザーインターフェース(UI)上でデータを参照できた点も評価された。
2025年1月の本格導入から約3カ月が経過した時点で、チーム全体の意識向上という変化が現れており、常時データが可視化されることで、メンバーのパフォーマンス改善への意識が高まったとのことだ。技術面では、最重要イベントであるガチャの全体処理時間200〜300ミリ秒のうち20〜30ミリ秒が高速化され、約10%の改善を実現。さらに、従来は数時間から1日を要していたデータベースのアクセスパターンの分析作業が、現在では画面を開くだけで即座に確認可能となった。
今後、MIXIではキャッシュ層の監視、エラー観測の強化といったより広範囲の観測を計画している。また、AIによる自動監視で人間が見落とすような問題の検出や、タイムリーなレポート生成といったAIを活用したパフォーマンス分析への期待を寄せている。