「Linux」コミュニティーの皆さん、再びデスクトップ環境のポイントリリースを楽しむときが来た。今回は「KDE Plasma 6.4」だ。ポイントリリースと聞いてがっかりした人もいるかもしれないが、記事を最後まで読んでほしい。
1. HDR/EDRのサポート
KDE Plasma 6.4の最も重要な追加機能の1つは、拡張ダイナミックレンジ(EDR)のサポートと新しいハイダイナミックレンジ(HDR)ウィザードだ。新しい「HDR Calibration」(HDRキャリブレーション)ウィザードは「System Settings」(システム設定)>「Display&Monitor」(ディスプレーとモニター)からアクセスできるが、HDRモニターをマシンに接続していない場合は、表示されない。
開発元は、対応するモニターで拡張ダイナミックレンジ(EDR)を有効にして、疑似HDRを実現できるようにすることで、グラフィックス機能をさらに強化している。これは、背景の明るさを自動的に変更することで実現される。
さらに、対応するディスプレーで最大色深度の制限も可能だ。これは重要な機能である。色忠実度がそれほど重要ではない場合、最大色深度を制限することで、ファイルサイズを削減し、パフォーマンスを向上させられるからだ。コンテンツのストリーミング時に帯域幅の節約もできる。
このオプションも、HDR対応モニターが接続されている場合にのみ表示される。
2. 大幅に改善された「System Monitor」(システムモニター)
データが好きな人は、改善されたPlasmaのシステムモニターを気に入るはずだ。最新バージョンには、GPU使用率や個々のディスク使用率の指標など、より有益なデフォルトモニター群が含まれている。

提供:Jack Wallen/ZDNET
新しいシステムモニターを開いた瞬間、開発元がこのようなツールに求められるものを真摯(しんし)に理解しようと努めていることがよく分かった。すっきりとした外観はこれまでと同じだ。変更を加えることなく、よくあるニーズにより効果的に対応できるようになっている。もちろん、(画面右上の)「Edit Page」(ページを編集)をクリックし、必要に応じてウィジェットを追加または削除することで、システムモニターページを簡単に編集できる。
3. RDPのサポートの強化
KDE Plasma 6.4には、リモートデスクトップ接続にRDPを使用しているユーザー向けの新機能がいくつか追加されている。例えば、標準で搭載されているRDPサーバーを有効にすると、一度だけ認証を求められる。認証を完了すると、その後は認証を求められなくなる。何度も認証を求められると煩わしいので、これはうれしい。
RDPサーバーは、接続されたクライアントアプリからの水平スクロールイベントも受け入れるようになった。これは、ディスプレー上のRDPクライアントのスペースが限られている場合や、サイズを変更できない場合に便利だ。