七十七銀行は、全行員向けの行内イントラ基盤を刷新し、2025年から新環境の稼働を開始している。新たな行内イントラ基盤の構築を支援したNECが6月30日に発表した。
七十七銀行では従来、行内利用の「オフィスオートメーション基盤」(行内OA基盤)とインターネットを利用するための「インターネット接続基盤」の環境を構築していた。これにより、インターネット接続に二段階ログインが必要で、データの授受に時間がかかるなどの使い勝手や、アクセス集中による高負荷時のレスポンス遅延などの課題を抱えていたという。
同行では、今後のクラウドサービス活用を見据えた利便性とセキュリティの両立や、クライアント動作とレスポンス性能の改善による業務効率化、また基盤集約によるシステム運用負担の軽減を目指し、行内OA基盤とインターネット接続基盤を統合し、新しい行内イントラ基盤の構築を目指した。

従来環境と新たな行内イントラ基盤の比較
新しい基盤の構築には、NECの「BluStellar Modernization 金融機関向けモダナイゼーションプログラム」を適用し、OAシステムのモダナイゼーションにおける課題と施策を整理した。同プログラムでは、「アプリケーション」「開発手法」「通信プロトコル」「基盤」「データ」「運用」――を組み合わせ、コンサルティングからデリバリー、マネージドサービスまでを提供することで、金融機関の持続可能な成長を支援する。
今回、新たに構築した行内イントラネット基盤は、シンクライアント環境を新たに構築。また、システムリソースを最適化することで性能を改善し、クラウド活用に向けたセキュリティを強化した。加えて、別のプロジェクトで導入されたSASEと連携したことでさらなるセキュリティの向上を図るとしている。また、保守・運用スキームを整備し、運用効率化およびコストの最適化にもつなげるという。