サトーは7月1日、廃棄物の処理から資源化まで可視化するトレーサビリティーシステム「Trace eye Circular Economy」を発表し、同日に提供を開始した。廃棄物処理での手動解体、選別、各種処理工程、出荷までの情報を蓄積・デジタル化してデータ活用とプロセスのトレースを行える。廃棄物リサイクル現場の実証実験で有効性を確認しているという。
新システムは、サーキュラーエコノミー(資源などの循環型経済)の促進を目的とする「再資源化事業等高度化法」や、欧州でのデジタル製品パスポート(購入後を含むサプライチェーン全体での製品情報追跡)、経済産業省での再生材活用などに向けた方針などを背景に、廃棄物処理から再資源化までの工程をデジタルで管理、可視化、共有できるようにする。

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サトーは、開発・製造する業務用ラベルプリンターやバーコード、RFIDタグなどの自動認識技術を応用して新システムを開発したと説明。廃棄物と情報をひも付けデータ化することで、再資源化プロセスでの情報断絶の解消、資源循環の高度化に貢献することを目指すとした。
新システムは、具体的にバーコードやQRコードで廃棄物の排出元から再資源化に至るまでの工程をさまざまな単位によりクラウドで記録、管理する。業務現場で使うスマートフォンやタブレットでも表示でき、リアルタイムな進ちょくや在庫の管理、棚卸しに対応できるとしている。また、再生材の素材構成や処理履歴を追跡することで、再生材の品質を担保する情報を取得可能。今後見込まれる法改正や規制にもシステムアップデートで対応するという。

スマートフォン表示イメージ(出典:サトー)
同社では、リサイクル企業やメーカー、欧州のデジタル製品パスポート対応を必要とする法人での利用を見込んでいる。