パナソニックくらしアプライアンス社(以下、パナソニック)のCX事業開発室は、データ活用プラットフォームム「Domo」を顧客体験の価値向上に役立てている。ドーモが7月1日に発表した。
パナソニックが2017年にDomoを導入した背景には、デジタルサポートランキング(家電部門)で業界1位から3位に後退し、ブランド価値と顧客満足度の観点からも早急に対策を講じる必要があった。そこで、CX事業開発室では全ての顧客の声をDomoに集約させ、FAQ(よくある質問)の分析とコンテンツの充実に取り組んだ。Domoの導入後は現場担当者が公開したFAQを自ら分析できるようになり、改善サイクルが加速した。
活用成果として、FAQとウェブ行動分析の月次報告に必要とされていたデータの集計作業が180時間からゼロになった。また、FAQの訪問者数が毎年増加し、この10年間で電話相談件数の約30倍に達した。さらに、トライベックが発表する「デジタルサポート評価指数ランキング」の家電分野で1位を獲得している。
SNS分析が商品企画に生かされた事例として、2025年4月に発売したコーヒーメーカーが挙げられる。商品企画担当者はDomoによるSNS分析で抽出された顧客の要望を重視し、サイズを見直してコンパクトな仕様に変更。現在、「すっきり置けるコンパクトなサイズ感」として販売され、人気商品となっている。
パナソニック CX事業開発室の堀田西五氏は「現在、DomoのAIサービス『Domo.AI』を活用し、分析の効率化を進めている。AIの活用で分析を効率化していくことで、より付加価値の高い業務に時間を注ぎ、お客さまの期待を超える体験価値を提供していく」と述べている。