ヤマハは、生成AIと統計解析を活用したVoC(顧客の声)分析サービス「TopicScan(トピックスキャン)」を本格導入した。同サービスを提供するエモーションテックが7月2日に発表した。世界中のヤマハ製品愛用者の声を、製品開発や顧客体験(CX)向上に生かすための高度な分析を実施する。
TopicScanは生成AIと統計解析を活用したVoC分析サービス。テキストデータをアップロードするだけで、迅速に高度な分析を行い、1日以内にレポートを出力できる。文脈ベースでトピックを抽出でき、事前翻訳なしに多言語も一括で分析可能で、コールデータの書き起こしや口コミ、SNSでの発信など、顧客からのあらゆる声を施策に生かせるデータにする。
ヤマハグループのアフターセールスサービスを担う品質保証部では、これまでも顧客の声を製品やサービスの改善、ものづくりに生かすための分析に取り組んでいた。そして今回、世界中から寄せられる「ヤマハの製品を愛用されているお客さまの声」を、より迅速かつ専門性高く分析するため、TopicScanを導入した。
ヤマハではTopicScanについて、顧客の声を解釈する手法の属人化や分類精度のブレが解消できることや、膨大な顧客の声から製品それぞれの特徴を捉えた分析ができることを評価している。また、同サービスを活用することで、迅速な分析・レポート出力により、各部署からの要望に応じた情報提供ができるとしている。多言語のコメント分析・レポート出力に対応していることもポイントとして挙げた。
同社ではTopicScanを活用することで、レポートを継続的に関係部署へ展開する仕組みを構築し、海外へのレポート展開も開始している。同社 音響事業本部 品質保証部の永井織子氏は「TopicScanによって、迅速に客観的かつ正確な分析が行えるようになった。定量的な情報は、企画会議などで意思決定を支える要素の一つとして役立っている」と述べている。