ブラザーのプリンターなど約750機種に「緊急」の脆弱性--確認方法と対策

Elyse Betters-Picaro (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 緒方亮 長谷睦 (ガリレオ)

2025-07-04 10:07

 ブラザーのプリンターの多くのモデルに、設置済みの場合はファームウェア更新では完全には修正できない、セキュリティ上の深刻な脆弱性が存在することが判明した。これはRapid7が2025年5月に最初に発見し、6月25日に公表したもので、プリンターのシリアル番号を知っている、または特定できる攻撃者が、初期値の管理者パスワードを生成できてしまうという、パッチでは修正できない脆弱性だ。

 そう、ここで言う「管理者パスワード」とは、工場出荷時に設定され、多くの人がそのまま変更していないパスワードのことだ。ただし「吉報」もあり、この初期値のパスワードを今すぐ変更すれば、自衛が可能だ。

脆弱性の詳細と深刻性

 Rapid7のゼロデイ調査により、ブラザー製のプリンター、スキャナー、ラベルライターの689機種に加え、富士フイルム、東芝テック、リコー、コニカミノルタの59機種に、合計8件のセキュリティホールが見つかった。うち7件はファームウェアの更新で完全に修正できる。しかし、重大な脆弱性である「CVE-2024-51978」は、すでに家庭や職場に設置されている機器の場合は、ファームウェアで修正ができない。

 CVE-2024-51978の深刻度はCVSSスコア9.8の「Critical(緊急)」とされている。攻撃者に一度シリアル番号を知られてしまうと、パスワードを割り出されて完全な権限でログインされてしまい、さまざまな悪事を実行される危険性がある。

 ブラザーの場合、ファームウェアはブラザーのサポートページを参照し、「ファームウェア更新ツール」を使用してバージョンアップできる。富士フイルム東芝テックリコー(英語版)コニカミノルタからも同様に、対象となるモデルについてセキュリティ勧告とファームウェアが公開されている。

 残る脆弱性(CVE-2024-51978)については、遡及的にファームウェアで修正することはできない。ブラザーにできるのは、生産ラインを更新し、今後出荷するプリンターについては工場出荷時のパスワードを予測不可能なものにすることだけだ。というわけで、影響を受けるプリンターをすでに所有している人は、管理者パスワードを今すぐ初期値から変更する必要がある。このパスワード変更については、「ウェブブラウザーによる設定」メニューから実施できる。

提供:Brother / Elyse Betters Picaro / ZDNET
提供:Brother / Elyse Betters Picaro / ZDNET

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]