富士通は7月3日、東京証券取引所(東証)のETF(上場投資信託) 取引プラットフォーム「CONNEQTOR」を基に、SaaS型のRFQ(Request for Quotation)プラットフォーム「Fujitsu RFQ Platform」を開発し、オーストラリア証券取引所(ASX)に提供すると発表した。ASX、東証、富士通の3社は6月2日に基本合意書(MOU)を締結している。
東証が提供するCONNEQTORは、2021年2月の導入以来290社以上のユーザーがETF取引のコスト削減と効率化を実現。月間売買代金は2025年4月に過去最高の3064億円に達し、アジアで最も成功しているRFQプラットフォームの一つとなっている。ASXは、Fujitsu RFQ Platformの活用により、ETFのRFQプロセスのモダナイゼーションを目指す。
各社の役割分担では、東証はCONNEQTORのライセンサーおよび運用主体として、本プラットフォームの導入支援を行う。富士通は、サービスプロバイダーとして、サービス開発および提供、ならびに活用支援を担当。ASX トレーディング担当ゼネラルマネージャーのアンドリュー・ウォルトン氏は「このプラットフォームによって機関投資家にとっての機会を創出する可能性を見いだしている。2026年前半のプラットフォームの稼働に向けて、オーストラリアの業界関係者と幅広く意見交換を行う予定」と述べている。
東証 常務執行役員(日本取引所グループ 常務執行役 CIO)の田倉聡史氏は「国際的かつ多様な市場機能の提供により、テクノロジーの面からグローバルなETF市場の発展に貢献していきたいと考えている」とコメント。富士通 執行役員常務の八木勝氏は「東京証券取引所との強固なパートナーシップにより、両社のテクノロジーと実践知がさらに高度に融合することで、オーストラリア証券取引所をはじめとしたグローバルなお客様に新たな価値を提供していけると確信している」と話している。
富士通は東証と協力し、Fujitsu RFQ Platformの他取引所への展開を目指すとともに、同プラットフォームにとどまらない両社の協業の可能性についても検討を続けていく方針だ。