ハリウッドの誤解と傲慢

apple 2006-12-04 22:03:27

 Microsoftが(Vivendiの音楽部門である)Universal Musicと提携を結び、Universalが所有する楽曲のライセンスをMicrosoftの新デジタル音楽サービスに提供してもらう見返りとして、「Zune」プレーヤーが1台売れるごとに1ドルを支払うことになった。こうした流れを受けて、ハリウッドも動き出している。

 ところで、こんな危険な契約に手を出すとは、Microsoftはいったい何を考えているのだろう。Universalの楽曲リストにアクセスする必要があったためというのは、至極当然の理由である。わたしが(卑劣にも)気に入っている理由は、ブログサイトMacalopeで主張されている、「Appleのビジネスモデルをめちゃくちゃにするため」というものだ。

 確かにそこまでするメリットはあるかもしれない。Microsoftは、「iPod」の牙城は揺るぐ気配がなく、わずかでも勝機を見出すには相当姑息な手段を講じるしかないことを十分に承知している。Microsoftには、第3世代ゲーム機のように聞こえるからというだけで、「xBox 2」から「xBox 360」へ名称を変更したという「前科」もある。

 ともあれ、ハリウッドの映画産業が、その強大な影響力を王者Appleに行使しようと画策しているようだ。

 Financial Timesによると、Universal、20th Century Fox、Paramount、Warner Brothersといったハリウッドの大御所企業がAppleにDRMポリシーの変更を迫り、「iTunes Store」で販売されている長編映画により厳格な制限を課すよう要求しているという。

数カ月におよぶ交渉を経て、製作会社側はAppleに、iTunesからダウンロードした映画を視聴できるデバイスの数を制限するよう求めるようになった。

 映画業界は、数年来の海賊版横行によるダメージからいまだ立ち直れずにいる、音楽業界の二の轍は踏みたくないと思っている。交渉に参加したある制作会社の幹部は、Appleが長編映画コンテンツの配信に関して、「新たなモデル」を打ち出すのは間違いないと語った。

 音楽制作会社や映画会社との交渉において、Appleの優勢はまだ崩れていないが(「なるほど、それでは70%の市場シェアを誇るわが社の製品にコンテンツを販売しないというわけですね」とだけ、言えばよいのだから)、厳しい話し合いになるであろうこともまた確かだ。

 だがAppleは、既存のDRM体制を維持することを強く主張し、欲深い音楽制作会社や映画会社に料金面で一切譲歩してはならない。彼らはiPodの成功を耳にするたびに、これをみずからの貢献によるものと勘違いしているようだが、賛辞はAppleにのみ贈られるべきであり、違法なファイル共有がはびこる中で崩壊の危機にあえいでいた音楽産業を救ったのもAppleなのだから。

 製作会社がiTunesから支払われる手数料について文句を垂れ流すのにうんざりなのは、はたしてわたしだけだろうか。iTunesは、収入の一部をそうした支払いに充てている。それでも気に入らないというのなら、オンライン配信システムを自分で立ち上げ、運営すればよいのだ。Appleも同じ考えのはずである。

(Jason D. O'Grady)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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