おぼつかない「Apple TV」の将来性

apple 2007-02-28 22:37:48

 「iPod」が成功した理由は2つある。すなわち、コンテンツを持ち運び可能にしたことと、違法複製および利用を禁じたことだ。「Apple TV」はiPodと異なり、大画面でコンテンツを視聴するには料金を支払わねばならない。Appleは正規ソフトウェアにDVDリッピングツールを搭載しない方針なので、「iTunes」ストアで購入したコンテンツを自由にすることは難しい。こうした点から、Apple TVがiPod以上の大成功を収める可能性は、それほど高くないと思われる。

 そのほかにも、Apple TVでなければだめだと消費者が考える要素が、今のところ見当たらないという問題がある。一方のiPodは、CDプレーヤーとは比べものにならないほどすぐれていると、だれもが認める製品だ。Apple TVも魅力的だと思うが、iPodほどではないこともまた確かで、不発に終わるおそれもあるとわたしは推測している。

 ケーブルビジネスモデルが大きな利益を生み出している今日、「Audible Magic」などの違法複製対策技術は、ケーブル事業者にとってのどから手が出るほど必要な存在だろう。消費者が音楽ファイルのデジタルダウンロードを好むようになったのは、コンテンツを自由にできるからという理由が大きい。コンテンツの利用に制限がかけられ、完全に複製不能になれば、ケーブル事業の未来は安泰だ。これに代わるサービスが流行するという事態も、想像しにくい。

 わたしの友人が、こんな逸話を語ってくれた。

この前母と話したら、Comcastのハイビジョン番組配信機器を全部新しくしたと言うんだ。たいていの「進んだ人たち」(つまりは、ほら吹き屋ということだが)によれば、いずれテレビはウェブで見ることになるらしいよと教えたら、「Comcastにはこんなにたくさんのすてきなチャンネルがあるのに、どこのだれがテレビをウェブで見ようなんて考えるの?」と返されたよ。

 お母さん、一本あり!

(Jason D. O'Grady)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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