歴史的PIアドレス

arearesearch

2008-03-09 11:58

こんにちは三島です。

少し前にJPNICから「割り当て先組織へ連絡の取れない歴史的PIアドレスに関するご確認、ご協力のお願い」という記事が載っていたのでそれをネタに書きたいと思います。(http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2008/20080220-01.html)

■歴史的PIアドレスって

あまり聞きなれない「歴史的PIアドレス」という言葉。略さず言うと「歴史的経緯を持つプロバイダー非依存アドレス」と言うのですが、わかりにくい。。。

ということで、今更ですがインターネットの歴史も振り返りながら、少し噛み砕いていきましょう。

■インターネットの歴史

今や何をするにも欠かせない存在のインターネット。買い物をしたり映画をみたり情報発信したり、生活がどんどん便利なっていきますね。でもインターネットはもともと現在のような目的で作られたものではなく、軍事用のコンピュータネットワークを構築することが目的で作られたものでした。これを「ARPANET」と言い今からさかのぼること40年くらい前のことです。その後、学術研究用のネットワークなども作られ世界に広がっていき、現在のように個人のインターネット利用が盛んになったのは1995年頃のことです。

ご存知のとおり、インターネットを利用するにはIPアドレスが必要ですね。個人利用が広まる中、JPNICは、効率的に割り当てるための対策として、プロバイダを経由したCIDR割り当ての推進やIPアドレスの割り当て業務の委任制度を開始し、IPアドレスの管理体系を築いていきました。

■クラスフルとクラスレス

CIDRとはClassless Inter-Domain Routingの略で、任意のブロック単位でIPアドレスの割り当てができる方法です。簡単にいうとIPアドレスを使う分だけ割り当ててくれるこの方法で、この方法がとられる以前は、割り当て可能なブロックが決められている「クラスフル」という方法がとられていました。

クラスフルの場合、クラスAは16,777,214個、クラスBは65,534個、クラスCは254個と定められているのですが、たとえばとある組織がIPアドレスが300個必要だったとしたら。。。 254個じゃ足りないので、65,534個の割り当てになってしまうのです。当時は「枯渇する」なんて想像してないでしょうしね。しょうがないですけど今となってはなんて贅沢(無駄?)な割り当てっぷり。昨今問題となっているIPv4の枯渇の対策方法の1つとしても、こういったIPアドレスの返却によるまかないが上げられていますが。今回の呼びかけでどのくらいの組織が連絡をくれるのでしょうか。そういえばIPv4枯渇か何かのセミナーに参加したときに今回の呼びかけに該当する会社の方がいたようで、JPNICの方に「返却を・・・・」と言われてました。

このように、制度整備がされる前に行われたIPアドレスを割り当ては、割り当てアドレス数が多い上に、未だ連絡が取れていない組織があるという状況なのです。

今回のJPNICからのお願によると、2008年3月上旬からWEBサイトで当該組織の名称と所在地を公開して、所有者からの連絡を待つそうです。更にそれでも連絡がとれなかったIPアドレスに関しては1年後の2009年3月以降、データーベースから登録を削除するらしです。

削除しちゃうのかぁ。ということはJPNICのwhoisでそのIPアドレスを検索すると"該当無し"になるのでしょうか。JPNICのWHOIS愛用中の私としてはちょっと困るなぁ。ま、とりあえず3月上旬に公開される情報を早く見たいです。見ても私には何もできないですけどね。

それでは、また次回。

※このエントリはZDNETブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNET編集部の見解・意向を示すものではありません。

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