在宅ワークの課題 ~この夏を乗り切る仕事場構築術、時間術、コミュニケーション術を~

ビジスパ事務局 2011-06-17 10:00:00

 この夏、東日本の企業は仕事の仕方について見直したり、新たなスタイルの確立が求められています。

原子力発電所の停止などによって夏期の電力不足が指摘され、15%の節電が企業や官公庁、そして家庭に対して求められています。普段の生活から何かを15%減らす、というのはなかなか大変な努力が必要になります。大規模停電を避けるために、電力需要に応じて再び計画停電を行わなければならない可能性も指摘されるようになりました。企業はこれまでも、通勤電車の混雑集中を避けるためのオフピークやフレックスタイムなどを導入して、時間に対する取り組みはしてきました。しかしより抜本的な、働き方に対する改善を行う必要がある、ということなのです。

NTTドコモは東京電力管内で休日を土・日から月・火に変更するという発表をしました。コールセンターやドコモショップなどは元々営業しているため難しいですが、休日の変更が可能な社員は約4000人になるそうです。しかしこのニュースを聞いた広告代理店の友人は「例えばドコモとそれ以外の会社と両方がクライアントの場合は、土日も休日でなくなってしまうんじゃないか」と語り、一社の取り組みだけではなかなかうまくいかない可能性も見え隠れします。

働く場所、時間などについて、これまで前例のない大規模な人数での在宅ワークやノマドワークを、2011年の首都圏の夏に体験する必要性が出てきているということになります。

ドコモの件ではミーティングや社内外で仕事を進める際の問題点が浮き彫りになりましたが、在宅ワークといわれてまず考えなければならないのは、「自分の家が仕事をする環境にあるか?」という点です。

家で仕事をする環境について、これまでのオフィスとはかけ離れた状況で心配される方がいるかも知れません。しかし一方で、TEDのビデオの中でジェイソン・フリードは「オフィスでは仕事が捗らない」と指摘しています。オフィスでやっていることの多くは上司とのミーティングも含めて作業であって、本来自分がやるべき仕事が出来る時間はわずか、もしくは皆無である、というのです。
既存のオフィスが必ずしも仕事をするにふさわしい環境ではない、ということはつまり別にオフィスじゃなくても仕事の環境を作ることは可能だ、という話です。

しかし在宅ワーク環境を整えるときに、考えるべき課題があります。ポイントは、インターネットやモバイルデバイスをうまく組み合わせて、自宅を「作業場」ではなく「仕事場」にしながら、他の人とのコラボレーションを円滑に進めること。この夏を乗り切るための仕事場構築術、時間術、コミュニケーション術などが必要になってくるのではないか、と考えるようになりました。いくつかエッセンスを。

・家庭内サマータイム
家族と少し生活時間をずらすことで、ひとりで仕事をする時間を作り出す。例えば朝5時から仕事を始めて、朝食・昼食を挟んでも午後2時には8時間の仕事時間を確保できます。

・空き時間ではなく、仕事時間を合わせる
普段職場で「机を並べる」同僚達と、共有できるカレンダーを使って「時間を並べる」。同じチームの人たちと、仕事をする際、共通のテーマに関する作業をあえて同じ時間で作業をすることで、コミュニケーションを取りながら仕事をする時間を作り出します。

・Skype、Facebookグループの活用
分散して進む仕事の環境を、SkypeのグループチャットやFacebookグループを連絡手段にすることで、仕事で使うメールボックスを荒らさずに密なコミュニケーションを取ることが出来るようになります。

・自宅以外の仕事場の確保
みんなで探し始めると地元のカフェというカフェが混雑しそうですが。

・出社日を合わせ、ミーティングはチームメンバーの自宅の中間地点で
在宅ワークといっても出社して行う作業は生じてくるはず。出社日を合わせて、ミーティングや協調作業などはその日に集中。それ以外の日は前述のSkypeやFacebookグループでつながりながら仕事に取り組む。また出社日以外のミーティングはあえて会社ではなく、チームのメンバーの中間地点で。

・イスには気を遣おう!
1日6時間以上座っていると健康に影響が出る、と言う話題がありましたが、姿勢や健康リスク、そもそも仕事が捗るかどうかなど、イスが握る要素は大きいようです。在宅ワークであっても、せめてイスだけでも、対策した方がよいかも知れません。

・涼をとる工夫を
在宅ワークが普及したときに懸念されるのは、「結局オフィスで仕事をしていた方が節電だった」ということ。「仕事中だからいいじゃないか」と冷房をがんがん入れてしまっては、元も子もありません。

これらの話題について、もう少しまとめてアウトプットしたいと思いますので、またメルマガでご紹介していきます。

松村 太郎
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師、嘉悦大学非常勤講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。学習をテーマにしたITベンチャー企業キャスタリア株式会社で取締役研究責任者としてソーシャルラーニングプラットホーム「iUniv」の開発に取り組む。ビジスパではメルマガ「NETNOMAD Magazine - 明日すぐ使えるニュース解説とインタビュー -」を執筆中。

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