TOB(公開買付)におけるプレミアムの推移 ~投資に活かせる豆知識

ビジスパ事務局 2011-10-11 10:00:00

今回は、TOB(公開買付)におけるプレミアムの推移についてお話ししましょう。景気の下振れ懸念が想定される現状において、株式市況では株価低迷状態が続いています。そんな中、東証1部上場企業全体でみたPBR(株価純資産倍率)は1倍をきっており、割安感も感じられるような状況になってきています。

そうした点からも想定できるように、上場企業の中には経営陣等がMBO(マネジメントバイアウト)を行う例やTOBによる買収などが今後増えていくのではないかと考えられます。

こうしたM&Aという観点から株式投資を行うことを考えた場合、私たちにとってうま味となるのは実際にM&Aが発生した場合のプレミアムになります。株価が安くなっていることもあり、公開買付における株価への上乗せ価格(プレミアム)は高くなりやすい傾向にあるのです。

2011年の第1四半期におけるプレミアム平均は50.6%、第2四半期におけるプレミアム平均は47.3%と、非常に高い割合を示しています。これは、簡単に言えば、TOBが行われる場合には、平均して現状(もしくは1~3か月間平均)の株価のおよそ1.5倍で買収されるという意味になります。投資のタイミングさえよければ、100万円投資した結果、150万円で売却できることも可能ということを表します。

なお、MBOの方がTOBよりもプレミアムが高くなる傾向にあり、ここ数年間でもっとも高いプレミアムは東宝がコマ・スタジアムを買収した事例で+343.11%となっています。100万円が443.11万円になったと考えると驚きのプレミアムですよね。

不動産価値(時価と簿価の差)などに注目する方法や、オーナーの保有する割合に注目する方法、手元の現預金の割合に注目する方法など様々方法がありますが、割安銘柄や買収ターゲットとなりそうな企業を探して、プレミアムを狙った株式投資を行うことも検討されてみると投資リターンの上昇につながるかもしれません。

伊藤 亮太
経済評論家、ファイナンシャルプランナー。スキラージャパン株式会社取締役。
証券会社にて、営業、経営企画部門等を経て、2007年11月にスキラージャパン株式会社設立に参画。ファイナンシャルプランナーとして、個人の生活設計(ニーズに合った適切な金融商品の選定、保険やローンの見直しなど)を中心としたマネー・ライフプランニングの提案・サポート等を行っている。
執筆や講師・講演歴も多岐にわたる。今までに大阪証券取引所やSBI証券など各金融機関、大東文化大学・立教大学などの大学等で資産運用関連、金融業界動向、ファイナンシャル・プランニングなどの講演を行っている。2011年秋学期からは東洋大学経営学部にて、ファイナンス特講の講師も務める。『金融入門 基本と常識』(西東社)など著書多数。

ビジスパにて、メルマガ「時代を勝ち抜くマネー学 - これからの生活に活かす -」を執筆中。

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