グーグルの「Google Apps Marketplace」がもたらすSaaSビジネスのパラダイムシフト

後藤 康成 2010-03-10 22:46:55

米国グーグルはGoogle Apps Marketplaceをローンチした。Google Apps Marketplaceはこれまで数年の間グーグルが開発した数々のアプリケーションプラットフォームがベースとなり、それらのAPI群を利用して企業向けSaaSサービスプロバイダーやISV's(Independent Software Developers)などのサードパーティーが独自サービスを開発、販売できる統合プラットフォーム(PaaS)である。

Google Apps Marketplaceで提供されるアプリケーションは、プロダクトとサービスの2つのタイプが用意されている。ここで注目するのはサービスのプラットフォームである。Google App Engineがコンシューマー向けサービスのPaaSと位置づけられるのであれば、Google Apps Marketplaceは企業向けアプリケーションサービスのPaaSである。

Google Apps Marketplaceは利用料として、Google Apps Marketplaceへの公開時100ドル、売り上げから20%を徴収するというアップルの提供するiTuneストアのモデルと類似したビジネスモデルをとる。このレベニューシェア20%(アップルは30%)は良心的なパーセンテージだろう。なぜならば、SaaSプロバイダーやISV'sはサーバーやネットワーク機器などのインフラへの設備投資、OSやミドルウェアレイヤーのサービス運用さらには課金プラットフォームの準備などの付加的なサービス開発から開放され、アプリケーションの開発と運用に集中できるメリットは大きいからである。

ビジネス的にも大きなメリットがある。Google Apps Marketplaceがポータルとして機能するために、Googleへの膨大なトラフィックを利用する事ができる。これによりマーケティングコストも低減されることになるだろう。さらにグーグルが決済をすることで、オペレーションコストの低減も期待できる。

グーグルが提供されているデーターシートによるとGoogle Apps Marketplaceを利用することでユーザーメリットも大きい。

  1. 「シングルサインオン」
    Google Appsのアカウントでサードパーティーサービスが利用できる。
  2. 「ユニバーサルナビゲーション」
    Google Appsのナビゲーションバーにサードパーティーサービスがインテグレーションされる。
  3. 「データーインテグレーション」
    サードパーティーサービスの管理者機能についてもGoogle Appsの管理インターフェースのに統合される。

Google Apps Marketplaceがサービス開始された事で、企業向けSaaSサービスプロバイダーやISV'sはビジネスモデルの転換を迫られる事になるだろう。この続きは次のエントリーの「クラウドアプリケーションは100円〜200円の時代へ突入 - あなたの会社はまだパッケージですか?」で。

後藤康成(ごとう やすなり)
フィードパス株式会社 CTO 兼 feedpath Calendar 事業統括
シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。ネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当。技術開発担当取締役、ngi group 執行役CTOを歴任しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。2005年クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立する。ブログエンジン、Zimbraの日本市場展開。現在ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当。 著書として「Web2.0 BOOK」など。自身のブログはBlogot Twitterアカウントは feedpath

[PR]スマートフォーンで利用できるグループカレンダー
iPhone/Androidで利用できるクラウド型グループカレンダー「feedpath Calendar」を利用しませんか? 月額利用料がなんと200円/アカウントから! >>詳しくはこちら

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。