アップルがiPhone 4でデザインより機能を重視した理由

後藤 康成 2010-06-08 23:31:06

今日一日多くのWebメディアで取り上げられ、さらにはTwitterで多くのTweetされたので、今更という感じではあるが、日本時間の本日2:00から始まったAppleのデベロッパーイベントであるWWDCのキーノートにてiPhone 4と、そのiPhone 4に搭載されるiOS 4が発表された。

僕も眠い目をこすり、engadjetgdgt liveそしてMacRumorsのリアルタイム中継をザッピングしながら、スティーブ・ジョブズのプレゼンをテキストとPhotoベースで追いかけていた一人である。5月に開催されたGoogle I/Oはライブストリーム中継があったので、リアルタイムの英語に耳を澄ませながらプレゼン内容をつかもうとしたが、WWDCはライブストリーム中継が無い。そのかわりテキストベースでの情報収集ができたので、ポイントをTwitterで呟きながらジョブズの一言一言を堪能しながらキーノートをエンジョイできた。

今回発表されたiPhone 4(当時はiPhone HDと呼ばれていた)は流出事件があった事から、iPhone 4のデザインは周知の事実として捉えられていた。さらに、今回発表されたマルチタスクやA4プロセッサーの採用もAppleのロードマップとして予想されており、今回のキーノートのサプライズは「何か」が僕の中での楽しみであった。

ズバリ。サプライズは6月15日の予約開始、6月24日の発売であった。このスピード感で発売日をコミットするAppleは流石だなと感じる。(一部ではiPad発売前から生産が完了していたという噂もあるが。。)

さて、今回のWWDCキーノートで発表されたiPhone 4およびiOS 4の中で僕が特に気になったのは2点。それはデザインと性能である。

これまでのiPhoneは、きれいなR(アール)で縁取りされ、手になじむデザインであったが、今回は縁の部分が金属で覆われており、完全にフラットになっている直線的なデザインである。まさに流出画像に写っていたデザインそのものであった。(あの画像のデザインはプロトタイプである事を願っていたのだが)

キーノートでのデザインの披露と同時にあの直線的なデザインポリシーにAppleらしくない違和感を感じていたが、ジョブズのキーノートが進むにつれ、その疑問がきれいに解消された。この本体周囲を覆う金属パーツは3GやWi-Fi、GPSなどの「アンテナ」となるのである。これまでデザインを重要視していたAppleであるが、今回のiPhone 4は機能(受信感度)を優先させたという印象を受けた。ただ、Webに掲載された現地リポートでは写真で見るよりずっと良いらしい。実際に触ってみるのが楽しみである。

僕が最も気になるのが、Android端末であるHTC DesireとiPhone 4の性能差である。このブログのエントリー「Androidはガラパゴス携帯の生態系を破壊する - Androidスマートフォーン「HTC Desire」を検証する(2)」書いたが、HTC Desireのアプリ起動スピードはかなり高速である。ちなみにHTC Desireは今もプライマリのネットガジェットとして利用している。

今回のiPhone 4に搭載(iPadにも搭載)されているA4プロセッサは未だ謎に包まれているAppleオリジナルのマイクロプロセッサだ。AppleはこれまでA4プロセッサについては性能を始めとし、多くを語っていないが、このA4プロセッサとHTC Desireに搭載されているマイクロプロセッサQualcomm Snapdragonとのベンチマークを是非キーノートで発表して欲しかった。

これまでAppleはPowerPCからIntelを採用した時など事あるごとに性能ベンチマークは発表してきたが、今回は発表されなかったのがちょっと残念である。せめてiPhone 3GSに搭載されているマイクロプロセッサARM Cortex-A8とのベンチマークでもよいので発表して欲しかった。

この他に、今回のキーノートでさりげなく披露されたiPhone 4のエンタープライズ機能についても注目しているが、エンタープライズ機能については次回のエントリーとしたい。

5月連休からHTC Desireを利用し始め、Google I/OのAndroid 2.2の発表で追い討ちをかけられて、だいぶ心がAndroidに傾きかけていたが、Phone 4は僕が期待していた以上の新機能が披露された。現在僕はiPhone 3Gのブラックを利用しているが、iPhone 4はホワイトを買おうと思う。

後藤康成(ごとう やすなり)
フィードパス株式会社 CTO 兼 feedpath Calendar 事業統括
シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。ネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当。技術開発担当取締役、ngi group 執行役CTOを歴任しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。2005年クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立する。ブログエンジン、Zimbraの日本市場展開。現在ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当。 著書として「Web2.0 BOOK」など。自身のブログはBlogot Twitterアカウントは feedpath

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※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

6件のコメント
  • Ts

    > あの画像のデザインはプロトタイプである事を願っていた



    > 今回のiPhone 4は機能(受信感度)を優先させたという印象を受けた

    単に好みの問題?
    3GSまでのデザインは、ちょっとぼってりとして好みではないです。

    2010年06月10日

  • 林檎Believer

    iPhone 4のデザインは決して悪くないと思います。確かに、曲線を使った従来のiPhoneにあったシグネチャーデザインからは離脱しましたが、おっしゃるようにコーポレート用途も意識しての「男向け」デザインとして「カチッとした」凛々しさを感じるデザインだと感じます。

    2010年06月10日

  • 後藤康成

    初代iPhoneから踏襲してきた半流線型のフォルムはAppleの美学として完成されたデザインだと思っていましたが、おっしゃる通り、アンテナ機能とプロダクトデザインを両立させた他のメーカーでは実現できない、最高の意匠と言えるかもしれません。

    2010年06月09日

  • 異論

    「今回のiPhone 4は機能(受信感度)を優先させたという印象を受けた。」
    とありますが機能とデザインを両立させた、が正解ではないでしょうか?

    どことは言いませんが、日本のメーカーが受信感度を優先させた場合、あのような美しいデザインにはならないと思われます

    2010年06月09日

  • 後藤康成

    ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。お恥ずかしい限りです。

    2010年06月09日

  • n12a

    typoがひどいですな。

    2010年06月09日