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ガラケーの生態系は決して破壊されない - Yahoo! Phoneから見えてくる今後のAndroid市場

後藤 康成

2011-09-16 09:00

昨年5月に「Androidはガラパゴス携帯の生態系を破壊する - Androidスマートフォン「HTC Desire」を検証する(2)」というエントリーをした。あれから1年と4ヶ月が経過した現在のAndroidスマートフォン市場の変化について考察する。

■2極化するAndroidスマートフォン
Androidスマートフォン市場は2極化の方向に向かっている。台湾のHTCや韓国のサムスンなどメーカーは、世界中どこでも使える世界戦略スマートフォンを繰り広げている。これはiPhoneと同じマーケット戦略であり、特定の国に依存しないAndroidデバイスを大量生産する戦略である。

一方、この夏各携帯キャリアが発表した秋冬モデルのラインナップをみるとわかるとおり、日本メーカーであるシャープ、東芝、Sony Ericssonなどはガラケーの持つ機能をAndroidフォンに盛りこんできており、他の国にはない魅力的なAndroidデバイスに仕立て上げてきている。

ここまでくると、ガラケーにAndroidを入れ込んだといっても過言ではないくらい、ガラケーの生態系にAndroidが入り込んだ状態だ。Androidがオープンソースであることからメーカーオリジナルにカスタマイズが可能であり、これまで日本独自の多機能携帯電話を短期スパンで開発してきた日本メーカーのノウハウと技術力の結晶と言えるだろう。

■Yahoo! JAPANもAndroid市場に参入
Androidスマートフォンへのシフトに対応しているのはデバイスメーカだけではない。アプリケーションレイヤーにも変化が現れてる。日本の最大手ポータルサイトのYahoo! JAPANがAndroidスマートフォンである「Yahoo! Phone」(ヤフーフォン)を発表した。


Yahoo! Phoneの大きな特徴は、単なるAndroidマーケットからダウンロードするアプリではなく、Yahoo! Phoneの標準機能としてYahoo! JAPAN独自開発アプリケーション「Yahoo!ホーム」を搭載しているところである。この「Yahoo!ホーム」は、「Yahoo!トピックス」、「路線検索」、「地図」、グルメ情報の「Yahoo!ロコ」さらには「Yahoo!ショッピング」、「Yahoo!知恵袋」そして「Yahoo!オークション」などのニーズの高いサービスを集約したアプリケーションである。

 
Yahoo! Phoneホーム(左)と「Yahoo!ホーム」のトップ(右)

この「Yahoo!ホーム」は、まさにYahoo! JAPANのサービスがワンストップで利用出来るというスグレモノアプリなのである。幅広いサービスを展開しているYahoo! JAPANだからこそ実現できるアプリと言ってよいだろう。気づけばそこにインターネットと携帯電話があり、「赤外線通信」、「おサイフケータイ」、「ワンセグ」そして「Yahoo! JAPAN」を日常的に利用しているデジタルネイティブ世代のユーザー層を、このYahoo! Phoneで一気に取り込もうという戦略が見えてくる。

■ガラケーの生態系に呑み込まれたAndroid
どうやらガラケーの生態系は思ったよりも強固であり、さすがのAndroidでも、そう簡単に破壊することができなかった。むしろAndroidはガラケーの生態系に取り込まれる形になったのである。

デバイスから組み込みアプリまでオリジナルが提供できるAndroidスマートフォン市場は、百花繚乱の様相を呈してきた。


後藤康成(ごとう やすなり)
フィードパス株式会社 CTO 兼 feedpath Calendar 事業統括
シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。ネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当。技術開発担当取締役、ngi group 執行役CTOを歴任しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。2005年クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立する。ブログエンジン、Zimbraの日本市場展開。現在ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当。 著書として「Web2.0 BOOK」など。自身のブログはBlogot Twitterアカウントは feedpath

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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