Windows Live 生中継

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2006-06-01 00:54:01

ライセンスモデルからサービスモデルへと大きな転換を図ろうとするマイクロソフト。ブロガーの方々10数人を集めての小規模セッションにて、リリース直前のWindows Liveのデモを見せて頂いた。エバンジェリストのPaul Holden氏によると、β版はマンスリーリリースだということで、まさに開発中プロダクトの生中継といった感じであった。

キーとなるコンセプト

さて、まずはWindows Liveの4つのキー・コンセプトの紹介から。

・Platform

・User Control

・Rich User Experience

・User Participation

デモの中ではこのコンセプトが次々とサービスに組み込まれているのが見て取れた。例えばサーチエンジンでは、検索結果の表示粒度をコントロール・バーの目盛りを左右に動かすだけで簡単に変えることが出来る。また、地図検索では、今や一般的な地図と衛星写真に加えて鳥瞰図が用意されていた。メールでは、ドラッグ&ドロップ機能に加え、Gmailを含めた複数のメールアカウントのアグリゲーション機能でユーザー利便性を追求している。その他、ソーシャルネットワークサービスや、まさに開発中のQnAなども、随所に工夫が凝らされている。

それでも飛ぶ厳しい質問

それでもやっぱり飛んだのが、Googleとの違いは何かという質問。様々な工夫が随所に盛り込まれているとはいえ、Googleとマイクロソフトは共にに資金力も知恵も存分に持っている企業である。機能面で完全に相手を引き離してしまうことは、お互いに難しいだろう。となれば、マイクロソフトの強みはどこにあるだろう。その鍵は、先ほど紹介したコンセプトのうち、"Platform"と"User Participation"にありそうだ。

期待される差別化要素

差別化ポイントの1つは、マイクロソフトが持つ巨大な開発者コミュニティである。MSN側でも開発者コミュニティへの積極的働きかけを始めたところだというが、これはGoogleには無い資産であり、Windows Liveの開発にうまく巻き込むことが出来れば大きな力となりそうだ。また、従来のマイクロソフト製品では考え難いことであるが、正式リリース後も製品リリースのサイクルは四半期ベースを維持することで、ユーザーフィードバックを短期間で吸収していく方針であるという。"User Participation"の活用である。

また、面白かったのは、Windows Liveが、必ずしもマイクロソフトのアプリケーションを利用するためだけの仕組ではなく、あくまで"Platform"と位置づけられていること。つまり、サード・パーティの開発したアプリケーションがWindows Live上で提供されるというモデルも将来の視野には入ってくるということである。すると、Windows Liveがマイクロソフトに閉じないサービス・プラットフォームへと進化する可能性が見えてくる。

マイクロソフトのLive感

前回のエントリーでも取り上げたように、一方のGoogleは提携戦略へと走り始めている。今回のWindows Liveのデモセッションで明らかとなったマイクロソフトの新しい方向感を目の当たりにすると、Googleの動きも判らなくもない。これまではクローズドな印象の強かったマイクロソフトであるが、開発者コミュニティの取込、アプリケーション・ベンダーの取込、などプラットフォームとしての価値提供に徹する姿勢を見せ始めているからだ。

いずれも、スタートしたばかりの新しい取組みではあるが、これがリアリティとなったとき、新しいマイクロソフトを目撃することとなるだろう。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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