日本のOSSはSIer主導か?

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2006-10-08 19:28:54

「新しいシャンプーどうですか?」「いや〜まだ効果ないですよ。」って違うよ!! インディアン伝承シャンプーを使ってるのは僕じゃないですから、僕の頭見てても何も増えたりしませんよ。減ることはあってもね。

というのは、前回の余波。今回は、ここ最近とても多かったオープンソース系の話題から、NECとSpikeSrouceの提携について。SpikeSrouceそしてOpenLogicとオープンソース・スタックをサポートするベンチャーが相次いでベンチャー・キャピタルからの追加投資を決めている。いずれも非公開企業なので、実態は判らないが、ベンチャー・キャピタルからの期待感が強いことは間違いなさそうである。そして、SpikeSourceに関しては、その出資者の1つに今回日本市場での提携を決めたNECが入っているというわけだ。

SpikeSourceが見た日本のOSS市場

NECとSpikeSourceの提携についてはこちらを見て頂くとして、今回はSpikeSourceが見た日本のOSS市場に関するinternet.comの"Driving The Open Source Spike Into Japan"という記事から引用してみたい。

 

"Curiously enough, open source in Japan as opposed to open source in Europe and North America is very much a strategic move from the system integrators and the platform providers," Joaqu?n Ruiz, vice president of marketing and product management at SpikeSource,

 

このSpikeSrouceのマーケティング・バイス・プレジデントであるルイス氏の言葉によれば、日本のOSSはUSやヨーロッパとは異なり、SIerやプラットフォーム・ベンダーによる戦略的な動きとして捉えられると言う。

 

"In the U.S. and Europe, the customers have the most say in terms of what they want deployed, and the system integrators deploy what customers want," Ruiz continued. "In Japan it's the other way around."

 

また、USやヨーロッパでは、何を導入するかは顧客が決めるものであり、SIerは顧客が決めたものを導入する。が、日本ではそれが逆になっていると言う。それ故に、OSSの領域においても、顧客ではなく、SIerが主導してOSSを積極展開しようとしているのだと。

本当にそうか?

SpikeSourceの発言をそのまま信じると、SIerは顧客に求められている訳でもないのに、進んでOSSを広めているということになる。求められてもいないのに、ライセンス収入が消えてしまうOSSを積極的に推し進めるというのも妙な話である。

日本におけるプラットフォーム・インディペンデントなSIerは、ハードやシステムソフト領域におけるパワープレーヤーからの独立性を維持するためにプラットフォーム・フリーなオープンソースを推進することに意義を見出すことが出来る。これによって、特定のハードやシステムソフトへの依存度を下げることが可能となる。

また、システム導入に一切の責任を負うことをその本分とする日本のSIerの存在が、システム構成の決定において一定の影響力を持ってきたことも事実であろう。それ故に、自らOSSを推進してゆくことによって、新しいプレイイング・フィールドを作り出そうというわけだ。

でも、本当にそうか?

では、日本におけるOSSの発展において、顧客は本当に不在なのだろうか?最近自分が経験する事例からは、顧客が手放しにSIerにOSSの採用を任せるほどに甘くはないと感じている。これはクリティカルなエンタープライズ・レベルでの採用となれば尚更である。ただ、OSSの利用を促す役割を果たしているのが、SIerであることが多いのも事実だ。

しかし、実際にOSSの利用を検討している事例を見ると、SIerの戦略的動きというよりは、個々のディベロッパーが一番最初のトリガーを引いているというのが実感である。自分達で実際に見て触って、是非使ってみたいというのが発端なのである。故に、SIerがOSSを主導しているように見えるのは、単に顧客側よりもSIer側にディベロッパーが多いから、という程度の話なのではないか。

つまり、誰がOSSを主導しているのかという議論をするとき、SIerか顧客かという議論はあまり意味がなく、主役はあくまでそれを利用しているユーザーなのである。ただ表層のビジネス的な動きだけを追ってしまうと、SIerがOSSを主導しているように見えてしまうのでしょう。

ちなみに、僕がインディアン伝承シャンプーを使っているという話も勘違いですよ。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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