Red Hatの赤い叫び

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2006-12-13 01:13:29

Googleで検索しようと思ったら、トップページがムンク「叫び」のパロディ画になっててぶったまげた。四季折々にGoogleのトップページが変わることはご存知の通りだが、まぁ通常は想定の範囲内だ。今回のトップページはパロディとは言え、いかに「叫び」がインパクトのある絵であるかを思い知らされた。では何でムンクかと言うと、12月12日がムンクの誕生日だからである。そして、この12月12日、Red HatはNYSEに上場する。と言ってもいわゆる新規上場ではなく、NASDAQからNYSEへ移るのである。

せっかくのNYSE上場ではあるが、Red Hatからはまさに「叫び」の背景のような赤い叫びが聞こえてくる。このComputer Business Reviewの記事において、Red HatのExecutive Vice PresidentであるAlex Pinchev氏が激しくOracleを非難している。ご存知の通り、Oracleは10月のOracle Open Worldで「Unbreakable Linux 2.0」と呼ばれるRed Hat Linuxのサポートサービスを発表しているが、Red Hatは、OracleがRed Hatとは異なる新しいLinuxを作ろうとしていると主張している。

しかし、せっかくのNYSE上場を控えたRed Hatの株価はOracleによる発表以来下がりっぱなしの状態が続いている。JBossを買収することで収益基盤の強化を図ると共に、NYSEでより安定的な株価形成を目論んでいただけに、Oracleの発表はとんだ冷や水となった格好だ。叫ぶのも已む無しである。

それにしても今回の一件、オープンソースを巡る戦いであるが、全くもってビジネス対ビジネスであるところが、新しい構図と言えるだろう。これまでであれば、オープンソースのコミュニティや新興企業と大手ベンダーという構図がオープンソースを巡る話題の中心であったが、今回は上場企業同士の争いなのである。こういう構図が現実のものになってくると、改めてオープンソースの意義というものがクローズアップされるのではないだろうか。

ムンクの叫びにはこういう誤解があるという。 Wikipediaからそのまま引用しよう

「叫び」はこの絵の人物が発しているのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」のことである。絵の人物は、「自然を貫く果てしない叫び」に恐れおののいて耳を塞いでいるのである。

つまり、叫んでいるのはRed Hatではなく、オープンソースではないかと。

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