金融ビジネス2.0 - 俺に投資しろ!!

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2007-03-10 14:00:52

資産運用の話になると「金があるなら俺に投資しろ!!」と寒いことを言う人たちが必ずいるのだが、そんな人たちのためのサービスが欧米で人気を博している。投資というよりは実際にはローンなのだが、中間に金融機関が入らないビジネスモデルであり、また極めて「ソーシャル」なところが面白い。

ソーシャル・レンディングの仕組み

その仕組みは単純で、インターネット上で貸したい人と借りたい人をマッチングさせるだけである。P2Pレンディングとかソーシャル・レンディングと呼ばれている。その優位性は、金融機関が提供してきた仲介機能を極小化することで、借りたい人にはより低いレートを、貸したい人には効率の良い投資機会を提供するというものだ。

しかしながら、金融機関が持つ信用創造機能はどうやって担保されるのか、という話がある。つまり、我々の預けた預金は、金融機関がしっかりと審査してくれた相手にしか貸し出されない。そしてそこには信用創造機能があるわけだ。しかし、ソーシャル・レンディングでは、審査の機能は当然銀行などよりは弱くなる。つまり、訳の分からぬ相手に金を貸すなど、正直リスクが高くて出来ないということになる。

2.0な金融ビジネス

では、ソーシャル・レンディングの仕組みはそれをどうやって解決しているのか。ちょっと米国のProsperというサイトを見てみよう。まず、貸出金額は小口に分散される。例えば、100万円借りたい人がいるからといって、自分一人で100万円貸すわけではない。例えば、その100万円のうち5万円分だけを自分が貸して、残りは他の複数の参加者から集められるわけだ。これによって、リスクが分散されることとなる。言うなれば、個人版シンジケート・ローンということになる。まさに金融ビジネス2.0というわけだ。

しかし、それでも何だか気持ち悪い。借りたいと言われても、何に使ってどうやって返すつもりなのか知りたくなる。するとこんなページが出来上がってしまうのだ。つまり、借りたい人たちが切々とその理由を説明する場が提供されるのである。高利の借り入れのコンソリが多いが、家の改築をしたいとか、ビジネスを拡大したいとか、理由は様々である。

それにしても、このProsperでは、本人の写真に加えて、収支明細を赤裸々に明かす人も多い。さらには、友人からのエンドースメントや貸し手とのQ/Aなどもサイトで行うことが出来るようになっている。借り手はこの情報のもと、50ドルを貸したいとか、100ドル貸したいとかビッドしていくのである。

これから

さて、この不特定多数の人々が参加するソーシャル・レンディング、その主体はベンチャー・キャピタルの投資によるベンチャー企業が多いようだ。Wikipediaがナレッジを集めたように、お金を集めてしまうこの仕組み、どこまで成長するだろうか。課題も結構多いように思うが。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

SpecialPR