コミュニティ・ロックイン

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2007-05-27 00:45:35

最近カレーばっかり食べていたのでカレー中毒となり、カレーを食べないと体調が悪い。要はカレーにロックインされているわけである。そんな中、CRMソフトウェア・ベンダーへ転職した知人に対し、オフィス近辺のカレー屋探索を依頼したところ、入社2日目に探索を完了しているとの報告を受けた。その知人曰く、"CRM"="Curry Rice Management"であると。人間関係の再構築を真剣に考える今日この頃である。

さて、今日はそんな話がしたかった訳ではない。

今週は、Sun Business .Next 2007で、藤井さんがセッションを担当されている「オープンソースのインパクトとは?」と題するパネルディスカッションにパネラーとして参加させて頂いた。モデレーター兼パネラーのSun藤井さんに加え、NRIの城田さんも一緒である。

一巡したオープンソースを巡る議論

パネル・ディスカッションという形態は初めてだったが、ディスカッションの中身を練る過程においてもいろいろと新しい発見があって面白い体験となった。オープンソースとエンタープライズという議論も、最近は一巡した感もあり、どう突っ込んだテーマにするかがポイントである。つまり、品質も十分高いとか、コスト削減に貢献するとか、ロックインを排除できるといった議論は既に新鮮味が無い。

藤井さんも、そうした一般論を超えたところに議論の主軸を据えることを意図されていた。つまり、メリットに対してデメリットはないのか、本当にコストは下がったのか、ロックインの排除なんて嘘じゃないのか、ともう一歩議論を進める訳である。確かにSIerとしてオープンソースを活用し始めたからと言って、R&D投資を別に削減した訳ではない。オープンソースも商用ベースに乗ってくれば、ディストリビューターにロックインされていると言える。藤井さんの指摘も最もである。

コミュニティ・ロックインという概念

そんな中で、ベンダー・ロックインという概念だけではなく、オープンソースならばコミュニティー・ロックインやコミッター・ロックインという概念も出てくるだろうという議論が出た。もちろん直接的なコスト負担に繋がるベンダー・ロックインと、コミュニティ・ロックインとはその意味合いは変わってくるが、あるコミュニティが開発したオープンソース・ソフトウェアを採用する場合、当然そこにはそのコミュニティとあるソフトウェア領域において運命を共にしようという意思があるわけだ。

あるソフトウェアを採用すれば、その直接的コストの多寡に関わらず、例えば操作への習熟であるとか、入力されるデータの形式であるとか、周辺システムとのインターフェースであるとか、様々なロックインが発生する。つまり、ロックインという概念は幅広い要素を含むものであり、特定ベンダーへのロックインが排除されることが、必ずしもあらゆるロックインを排除するものではないことには留意すべきだろう。

ロックインをポジティブに捉える

従って、ロックインというものを否定的には捉えずに、むしろ、ロックインされることによるメリットを理解し、何にロックインされるのかを知ることが重要なのだ。オープンソース・ソフトウェアであれば、ソフトウェアそのものだけではなく、コミュニティそしてその開発者達を理解することも大切なのだと思う。

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さて、明日は「Seasar Conference 2007 Spring」が開催されます。コミュニティからの情報提供が行われる重要な機会と言えます。ところが、明日から出張で今回はお手伝いできず済みません。今回も満員御礼とのこと、盛会となることをお祈りしております。

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