オンデマンド・プラットフォームとオンデマンド・フィッシング

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2007-07-21 12:35:16

さて、私のブログはトラックバックもコメントも非常に少なく実に寂しい。そんな中、『「釣り2.0」と「金融ビジネス2.0」の相関関係』というエントリーにトラックバックが付いていることを発見。期待に胸膨らませリンクを辿ってみると、なんと「釣竿」と題されたオンライン通販サイト

ブログの本題は釣りじゃなくて金融であったはずだと更に悲しみは深くなるが、むむむ、この商品は見逃せない。営業のM田君にも負けない大発見だ。ペン型携帯釣竿「コンパクトロッド」。釣具のくせしてスーツ姿のビジネスマンと思しき男が胸ポケットから釣竿を取り出そうとするショット。縮めるとわずか20センチ。これぞオンデマンド・フィッシングである。

Salesforce.comのPaaS戦略

そう、オンデマンドと言えば、Salesforce.com。同社は、「Summer '07」のリリースの中で、Apexと呼ばれる開発言語の提供を開始することで、SaaSからPaaS(Platform-as-a-Service)へとビジネスモデルの進化を目指す意思を明確にした(ZDNet記事より)。

これにより、開発者は、Salesforce.comの開発基盤上でより複雑なアプリケーションを構築することが可能になるという。極論すれば、オンデマンドのERPソフトをApexで開発し、サービスとして提供することも出来るというわけだ。

ここで面白いのは、Salesforce.comは、ITサービスの提供レイヤーをアプリケーション・レイヤーからプラットフォーム・レイヤーへと一段下げた点である。これまでのIBMやOracleなどの動きを見てみると、ハードウェアや基盤ソフトを提供してきたプラットフォーム・ベンダーは、プラットフォームからアプリケーションへと注力レイヤーを一段上げるというのが一般的であった。

それに対して、Salesforce.comは、CRMというアプリケーションからスタートしたものの、今回のPaaS

戦略により、レイヤーをアプリケーションからプラットフォームへ下げたこととなる。この変化は、ソフトウェアがサービス化していくというSalesforce.comのビジネス・コンセプトにもよるだろう。しかし、そこにはオープンな開発モデルへの期待感も感じられる。

オープンな開発モデル

ご存知の通り、ソフトウェア・ビジネスの領域は近年M&Aが極めて活発であり、大手ベンダーに主要なソフトウェア製品が集約していく流れがある。それ自体は、ソフトウェア開発の効率性を高める効果をもたらす一方、寡占化の弊害としてイノベーションの力が低下する可能性を孕む。

そうした中で、Salesforce.comが提供するサービス型プラットフォームは、ソフトウェアベンダーに低コストなデリバリー・チャネルを提供することとなり、サービスという形態でソフトウェア・ビジネスの領域へ参入することを可能とする。こうしたオープンな開発モデルが、オープンソース同様にイノベーションの発露として機能することが期待される。

プラットフォーム志向

実は、こうしたプラットフォーム型のビジネスモデルは、コンピューティング・リソースのユーティリティー化を推進するハードウェア・ベンダーから出てくるのではないかと思っていた。しかしながら、こうした動きがオンデマンド型ソフトウェア・サービスのベンダーから出てきたのは、ハードウェア・ベンダーがプラットフォーム・ビジネスからソフトウェア・ビジネスへと比重を移しつつあったことと無縁ではないだろう。

こうしたプラットフォーム志向でもう1つ思い起こされるのは、Second Lifeである。Second Lifeは、仕組まれたゲーム性、つまりアプリケーション的なものが一切用意されていない点で、完全にプラットフォームなのである。Second Lifeが注目を浴びた1つの理由として、プロバイダーに支配されることなく、ユーザーが自由に創造すること、所有することが許される点、つまりSecond Lifeがプラットフォームであった点が挙げられるだろう。

フィッシング・プラットフォーム

言うなれば、ある程度のシナリオが仕組まれているのが釣堀。プラットフォームとして提供されているのが野外の釣り場。そこで使う開発言語が携帯釣竿。。。空しくなってきたのでそろそろやめます。頼むから釣竿のトラックバックとか付けないでね。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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