ガートナーの予測を外さないと貧乏になる

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2007-11-25 12:15:02

どうも最近貧しい。また魚は釣れないし、株は下がっちゃうし、追い討ちを掛けるようにガートナーがソフトウェア・ライセンスの値段が下がるとか言う。それ即ち、IT企業の収益性に直結するのか? ガートナーに言わせればその通りである。

ガートナーの論理

記事によれば、ガートナーは企業にとってライセンス・コストが下がる理由として7つ挙げている。

1.ビジネスプロセスの外注(BPO)

2.サービスとしてのソフトウェア(SaaS)

3.SOAとオフショア開発による低コスト開発

4.ソフトウェアのメンテナンスやサポートを請け負うサードパーティー企業の出現

5.オープンソースに対する関心の高まり

6.中国系ソフトウェア企業の進出

7.ブラジル、中国、インド市場の拡大

この結果、購入企業の交渉力は強まり、ソフトウェア企業の収益率は低下すると予測されている。つまり、ソフトウェアもハードウェアと同様に部品化が進み、その部品1つ1つも安く作ることが出来るようになったから値段も下がると言うわけである。まさに最近のトレンドであり、これを捉えたソフトウェア企業側の努力もまさに現在進行形であると言える。

大手ソフトウェア・ベンダーはインドや中国で現地のIT企業に対抗して大量に人材を採用し、提供するソフトウェアをSOAに対応させ、サービスモデルでの提供を開始する。そして、更なる効率化と顧客ロックインを実現するために、M&Aを積極化し交渉力の低下に対抗する。

ちょっと話題を転じて

金融の話をしてみたい。以前取り上げたソーシャル・レンディングであるが、P2Pのレンディング・サービスが、金融機関の提供する融資業務を奪い取るという議論がある。つまり、Webで借り手と貸し手を繋ぐから仲介者たる金融機関は不要であるということだ。

しかし、現実には、ソーシャル・レンディングのサービスは、金融機関からのサービスを受けるだけの信用力がないアンダーバンクトというマーケットの開拓に貢献している。つまり、これは低コスト型のビジネスモデルが既存のビジネスを破壊するのではなく、マーケットの裾野を拡大したという話である。

これをソフトウェア・ビジネスの領域へ当て嵌めるとどうだろう。SaaSモデルやオープンソースの活用は、必ずしも大手ソフトウェアベンダーの領域を一気に崩したわけではなく、むしろこれまで高度なITを活用できなかった中小企業レイヤーに恩恵をもたらしているとも言える。

ガートナーの予測を外せるか

つまり、ソフトウェアの価格は低下するかもしれないが、それが収益性の悪化に直結するかは別の問題であると言える。しかし、そうなるかならないかは、ソフトウェア企業次第である。現状に甘んずればガートナーの予測通りとなるだろう。予測を外そうと思えば、スケールを追求するのか、イノベーションを追及するのか、新規マーケットを開拓するのか、まさに戦略が求められるところである。戦略とは選択である。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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