資源銘柄化するネット株

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2008-01-12 12:12:36

結局2007年最後の釣行は絶望的な結末に終わった。またしても三浦半島で魚を釣らず、路肩の八百屋でみかん、大根、獅子唐を大量に買い込んで来てしまった。おいしいところがまた悲しいのだが、日本近海の海産資源が枯渇しているのに違いない。最近、水、石油、金属などの資源株に投資するファンドが人気だが、資源株という場合はおよそ陸地にある資源を指すことが多い。是非とも海の資源にも投資して魚も増やしてもらいたいものである。

“Nothing But Net”

しかし、私が魚を釣れないことと海産資源には全く相関関係が無い。今回の話題もここまでの前振りとは一見関係ない。何かと言うと、JPMorganの2008年ネット株予測。TechCrunchによるとJPMorganが”Nothing But Net”と題される312ページものレポートを作成し、2008年度もインターネット関連株は堅調だと予測しているらしい。記事に名前が出ている銘柄は、Google、Amazon、Yahoo、eBay、Expedia、Salesforce.com等お馴染みの顔触れ。

記事中に引用されていたこのグラフが指し示しているのは、ブロードバンドの普及率の伸びと電子商取引の伸びは軌を一にしており、2008年度も同じペースが続くだろうとうことだ。更に、次のグラフでは、オンライン広告はブロードバンドの普及率を上回るペースでの拡大することを示している。なので、2008年もネット株は安泰という訳だ。

“Web2.0 Companies I Couldn’t Live Without”

ところで同じTechCrunchの記事で、この予測を後押しするかのように”2008: Web2.0 Companies I Couldn’t Live Without”という、これ無しでは生きていけません的なWeb2.0企業を毎年追いかけている人の記事がアップされた。当然のようにそのサービスの数は年を追うごとに増えている。そしてそのサービス提供企業には、Amazon、Google、eBAYといった先ほどと同じ名前が含まれる。

これらのWeb2.0企業は、巨大なデータセンターを通じて多くのユーザーに対してサービスを提供するわけで、コンピューティング・リソースの提供体であると言える。そして、そのデータセンターの消費する電力とその発生させる熱は地球温暖化に影響を与えるとされる。しかし、これらのサービスは既に「それ無しでは生きていけません」という領域に到達しつつある。それゆえにGoogleのように何十万台ものサーバーを保有するWeb2.0企業は、環境問題への取組みを積極化しているのである(年始特集「2008年、スケールエコノミーからクールダウンエコノミーへ」)。

資源銘柄化するインターネット株

こうして見ると、Web2.0型企業の提供するサービスが広く利用されるようになるにつれ、これらは単なるインターネット企業ではなく、コンピューティング・リソース企業と呼んだ方が適切だろう。そして、そのリソースをどこまで拡大できるかは、地球環境に依存するまでになってくる。つまり、ネット銘柄はコンピューティング・リソースという資源を提供する資源銘柄に近いものとなりつつある。

IT企業とひとくくりに言っても、現時点では発電所とその先の電球を作っている企業を一緒に語ってしまっているのが実情であろう。2008年もサービス化の流れは更に強まると思われるが、その中でIT企業の位置づけも大きく変貌を遂げるに違いない。ということで、コンピューティング・リソースという資源の話に繋がった訳だが、やっぱり魚資源とは関係ない。今年は釣れるといいな。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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