三浦半島へ釣りに行くと、魚が釣れずに三浦大根、キャベツ、獅子唐、カボチャなどの野菜をしこたま買い込んでくることがある。これは果たして釣りに行っているのか、それとも野菜を買いに行っているのか? 同様に、IBMとTATAとでは、どっちがアメリカ的な企業と言えるのだろうか? (全然同様ではありませんが)
TATA財閥と言えば、最近ではその自動車部門がジャガーを買収するなど、インド・ブランドからグローバル・ブランドへと脱却しようとする意思が強く見られる。5月5日号のBusinessWeek誌の記事”IBM VS. TATA: WHICH IS MORE AMERICAN?”(リンクは、そのオンライン版。若干内容は異なっている模様)は、そのコンピューター部門であるTCS(Tata Consultancy Services)をIBMと比較して、どちらがよりアメリカ企業的であるかを問うものである。
TATAとIBMの逆転現象
記事によれば、2008年の1-3月期、TCSは実にその売上の51%を北米に依存している。一方のIBMは、逆にその売上の65%を海外で上げている。しかも、この間にIBMはインドでの売上を41%伸ばし、インドにおけるNo.1テクノロジーベンダーの地位を確立しているという。
結果的に、景気が低迷する北米をメインマーケットと位置づけるTCS等のインド系ITベンダーが軒並み減速傾向を示す中、当の米国IT企業の雄であるIBMは、新興国でのサービスビジネスを拡大することで好調を維持した。
どちらがアメリカ的か
そう問われれば、北米をマチュア・マーケットと見て、新興国への進出を積極化したIBMの方が、むしろよりアメリカ的であると言えるだろう。しかし、IBMにそうした行動を取らせたのは、グローバル化の過程において北米をメイン・マーケットと見定めたTCSを始めとするインド系ITベンダーであったのではないか。
ちなみに、過去の実績を見る限りにおいて、私が三浦半島へ行くのは、どちらかと言えば野菜の仕入であるようだ。
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