「金融民主主義」が金融サービスの向上を促す

飯田哲夫(Tetsuo Iida) 2008-07-06 15:52:20

米国におけるP2Pレンディングの効率性を証明する論文が提出されたという。University of DelawareとRice Universityの共同研究である。

論文において、借り手は金利面で金融機関から借りるよりも有利であることが確認されたとしているが、これはもともとProsperに代表されるP2Pレンディングサービスが訴求していたポイントである。面白いのは、それに加え、貸し手の融資判断において、人種や性別の影響をより受けにくいという調査結果が出ていることだ。

P2Pレンディングでは、借り手が何故お金を借りたいか、どうやってそれを返すつもりなのかを直接貸し手(個人投資家)に訴えることが出来るため、勢い感情的な判断が働くものと思っていたが、実態は必ずしもそうではなく、投資する側はより冷静に判断を行っているようだ。

確かに、やたら種類ばかり多くて、一見無個性に見えてしまう投資信託に較べると、個々人の顔と生活が背後にあるP2Pレンディングの借り手達の方が、よほど投資判断をじっくりと行うインセンティブが投資家側にも働くのかもしれない。

情報をハブ(金融機関)に集約して、その情報の非対称性をビジネスの源泉とことを「中央集権モデル」と呼ぶならば、P2Pレンディングのように、情報の通路を作ってむしろ非対称性を排除することをビジネスの源泉とすることは、「金融民主主義モデル」とでも呼ぶことができよう。

これからの金融サービスを考える上で、こうした金融民主モデルの発達と、その既存金融サービスへの取り込みが、サービス向上の観点からは重要になっていくだろう。

家の近所に釣堀発見。

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