米国IPコンタクトセンター事情?在宅勤務オペレータの活用

iptelephony 2006-03-29 14:28:23

 日本最大級の通販会社の皆様と、米国各地のIPコンタクトセンターにおけるホームエージェント(在宅勤務オペレータ)の実態を視察に行ってきました。

 実態の視察といっても、大学のレポートではないので、まさに実践のポイント(このお客様はすでにトライアルでスタートしている)を探り、日本において実践するにあたり、リスクを低減させるために、先駆者の経験を聞きに行くという趣旨で、以下4社に訪問を受け入れてもらいました。

ホームショッピングネットワーク:全米をカバーする大手TVショッピング、24x7稼動 700席、ホームエージェント100人

The Networks:企業倫理ホットラインなどを手がけるアウトソーシング ホームエージェント70名

JetBlue:NYを中心に低価格、良質なサービスを提供するエアライン ホームエージェント1000名

The Timewaner Cable:ホームエンターテイメント、情報サービス

 離職率の低減、オフィススペースなどの固定費の削減、従業員の満足度アップ、サービスレベルの向上(コールのスパイクに合わせて短時間の業務配置ができるため)など、各社成功裏に導入が進んでいる反面、その運用ノウハウ構築には並々ならぬ努力と熱意を感じました。

 この業界において、ホームエージェントを採用している一番有名な企業は、JetBlueでしょう。

 ニューヨークを本社として6年前に設立されたこの航空会社は、当初よりユタ州・ソルトレイクシティを在宅勤務者主体のコールセンター運営を前提にスタートさせ、今では、顧客満足度米国内エアラインNO.1の地位を確保し、路線拡張も進み、現在では10日に1機、年間50機の航空機を追加しているといった、この業界ではまさに絶好調のエアラインです。

 コールセンターのエージェントは合計約1000人、全体のコールの約90%をエージェントの自宅で受けており、1日約4万コールで平均通話時間は4分とのこと。

 会社のポリシーのもと、早く電話を切って数をこなすのではなく、できるだけ親切に対応することが重要なポイントで、これがソルトレイクシティの土地柄にしっかりとマッチしていて、顧客満足度を押し上げているのだと誇らしげに語られていました。また従業員のロイヤリティーは大変高く、JetBlueで働けることがここではステータスのようで、新たな求人募集広告を出さずとも、口コミで十分に補充できるそうです。なんとも日本の各社のセンターの状況を考えるとうらやましい限りです。

 ビジネスの拡大を受け、センターの拡張を試みるも、近辺での可能性のある労働力はすでに枯欠状態のために、第二の候補地を物色中だそうです。そんな話を一言漏らすと、競合会社やコールセンター運営会社からは「ここだけは来ないでくれ」と泣きつかれるそうで、なかなか決まらないとおっしゃられていました。

 また、余談ですが、こんな逸話もうかがいました。 一年ほど前に、JetBlueの旅客機の前輪が着陸時にまっすぐに降りず、機長が冷静に燃料を数時間かけて消費した後、見事無事滑走路に着陸させた映像が、日本でも何度かニュースで放映されたので、印象に残っている方も少なくないと思われますが、けが人1人も出さずに着陸させた機長は、その後のインタビューで、「数インチ、センターラインからずれて残念」との余裕のコメントを残したそうです。

 コールセンターもさまざまに変化していて、まさに新たな飛躍が予感できる米国ツアーでした。

 また各社共通しているところは、大袈裟かも知れませんが、地域/社会に貢献したいという意図が明確で、ホームエージェントはまさに地域に根をおろした施策であると感じました。

 各社それぞれ対応して頂いた方々は、3-4時間もの時間を私たちのために、にっこりと付き合っていただきました(これもアメリカの国民性なのでしょうか、おおらかでした)。とても感謝しております。

(安藤 靖)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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