PBXのIP化は時期尚早か? 1

iptelephony 2006-10-06 11:30:47

だいぶ間があいてしまったことを冒頭にお詫びいたします。

さて、前回までは昔話をさせていただいたが、今回から少しIPらしい話に入ろう。

PBXのIP化は時期尚早ではないかという考えから、IP-PBXの導入を見送り、PBX更改で従来型のTDM方式PBXを採用される企業が今日現在少なからずある。原因は、数年前にIP-PBXを導入した「アーリー・アダプター」(初期採用者)の経験を聞いて、同じ苦労をしたくないというのが大勢だ。また、苦労して導入したという話を聞く割には、IP化のメリットがいまひとつ明確でないというのも理由として良く聞く。

アーリー・アダプター企業が経験されたことは変えることのできない事実であり、自社の次期通信プラットフォームの選択肢から適切な判断する際にその実例を参考にすることはとても重要である。だが、それだけで判断できるものだろうか?この点で今回を含め、3回に分けて、数点のポイントを挙げ問題提起したい。

(1) IPテレフォニーの技術は、この2〜3年で飛躍的に向上している

ここで私が「技術」と呼んでいるのは、IP-PBXそのものの技術だけでなく、それをオープンなネットワーク環境に組み込んで安定稼動させるための技術やノウハウを含む。アバイアは、2004年の夏をもって、小型タイプを除き旧型TDMタイプのPBXの出荷を停止、現在出荷している大型システムは全てIP方式である。アバイアが得意としているコールセンター、コンタクトセンターは非常にミッションクリティカルな運用が必要であるが、コールセンター、コンタクトセンター向けの製品であっても例外ではない。出荷しているシステムのIPポート数(内線数とほぼ同義)は年々倍増しており、現在アバイアは世界全体で年間5〜6百万ポートのペースでシステムを出荷しており、その内約3百万ポートはIPのポートである。日本のPBX需要が年間4百万回線程度であるので、アバイアのIP方式のPBXシステムの出荷量の大きさをご理解いただけると思う。これだけのIPテレフォニーシステムを出荷し、企業の中核音声システムとして導入していただいていることを通じて得られるノウハウも膨大だ。数年前、各メーカーが数千、数万ポート程度出荷していたときとは、技術力や経験の蓄積は全く変わっているのである。「アーリー・アダプター」がIPベースのシステムを導入された際のご苦労は大変なものであったであろうことは紛れもない事実ではあるが、その経験談が全く環境の異なる現時点でも導入決定を左右するというのは残念な話だ。

[次回に続く]

(加藤 浩明)

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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