ITILで使われる手法を理解する

itil 2006-11-10 15:28:42

SWOT分析

会社のビジネスの方向や製品ならびにマネジメントの面から診断したり、事業の可能性を検証したりするのに良く用いられるツールです。ITILでは、会社の概要を把握する段階や、ビジネスの方向とITサービスの方向の整合性が取れているかを判断するためのツールとして使用することが在ります。SWOTは以下の語の頭辞語です。

 

     

     

  • Strength: 強み

     

     

  • Weakness: 弱み

     

     

  • Opportunity: 機会

     

     

  • Threat: 脅威

     

     

 

この分析ツールですが、実は2種類存在するということをご存知でしたか。私自身は、実はこの分析方法が2種類あることは、つい2年前にわかった次第でした。ひとつは通常にSWOT分析といわれているものです。もうひとつもSWOT分析といわれているので混乱を招くことがあるのですが、区別するためには特に“クロスSWOT分析”と呼んでいます。大きな違いは、SWOT分析は仮説検証ツールとしての側面が強く、クロスSWOT分析は解決策を導き出すツールとして使われることが多いということでしょう。

次のような表形式で表現されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

【SWOT分析】
内部 強み
(Strength)
弱み
(Weakness)
外部 機会
(Opportunity)
脅威
(Threat)

 

 

このように表形式で整理されるのですが、内部とは会社であったり、社内の一組織だったりします。外部とは、対立軸または競合関係のあるものを想定します。従って、市場や同業者だったり、社内の他部門だったりということになります。現在のビジネスが、市場からどのぐらいの利益を享受する機会が存在するかを推測できます。反対に、どのような脅威が予測されるかを検証することもできます。新規事業分野に進出しようというときや、投資拡大を行うとき、市場からの撤退、事業の縮小などを考えるときなどに有効なツールといわれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【クロスSWOT分析】
機会
(Opportunity)
脅威
(Threat)
強み
(Strength)
(1) (2)
弱み
(Weakness)
(3) (4)

 

 

クロスSWOT 分析は、前述したように解決策を導き出すツールなので、表の(1)〜(4)には、以下の内容を記述します。

 

     

     

  1. 自社の強みをビジネスチャンスとして最大限に生かす方策

     

     

  2. 自社の強みをしてビジネスに生かし、脅威を克服する方策

     

     

  3. 自社に弱みがあるが、ビジネスチャンスを逃さないようにする方策

     

     

  4. 自社の弱みがある上に、脅威の発生でさらに悪化しないようにする方策

     

     

 

違いを把握してもらったところで、一連の使用方法を解説しましょう。

 

     

     

  • SWOT分析で、自社の強みを事実として把握し検証します。

     

     

  • SWOT分析で、自社の弱みを事実として把握し検証します。

     

     

  • SWOT分析で、市場を把握するために、ビジネスチャンスを同定します。

     

     

  • SWOT分析で、市場を把握するために、潜在的脅威を同定します。

     

     

  • クロスSWOT分析で、自社の強みをビジネスチャンスに結び付けて、大きな利益をものにすることができる解決策を導き出します。

     

     

  • クロスSWOT分析で、他社にとっては脅威であるが、自社にとっては強みであることを生かして、ビジネスができる解決策を導き出します。

     

     

  • クロスSWOT分析で、自社にとっては弱みであるが、ビジネスチャンスを逃さないようにするためにはどうしたらよいか、という解決策を導き出します。

     

     

  • クロスSWOT分析で、自社にとっては弱みであるが、その上に脅威が重なった場合でも、状況がさらに悪化しないようにするための解決策を導き出します。

     

     

 

このように、SWOT分析のマトリックスを掛け合わせた領域で解決策を導き出すために使用されるので、クロスSWOT分析と呼ばれています。これでそれぞれの特徴と守備範囲はご理解いただけたと思います。しかし、最近は、これをひとまとめにした、複合型のSWOT分析も見かけられるようになりました。特に名前は付けられていませんので、複合型SWOT分析とでも呼ぶことにしておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【複合型SWOT分析】
機会
(Opportunity)
脅威
(Threat)
機会と捉えた事項 脅威と捉えた事項
強み
(Strength)
強みの
事項
(1) (2)
弱み
(Weakness)
弱みの
事項
(3) (4)

 

 

 

     

     

  • 機会と脅威の項目をそれぞれの欄に記述します。

     

     

  • 強みと弱みをそれぞれの欄に記述します。

     

     

  • (1)〜(4)は前述の解決策を記述します。

     

     

 

この複合型は、非常に簡潔で見やすいという利点があります。一方で、仮説の段階や事実の把握の段階で一旦検証を行うというステップが弱くなる傾向があるようです。解決策にだけ、目がいってしまう傾向が強くなるように思われます。

ITILを導入するといっても、ITサービスだけのことを考えていれば良いということではありません。ビジネスに対して、ITサービスが如何に貢献できるかを考えること。ITサービスをうまく利用することによって、ビジネスを如何に効率的に行えるようにするかを考えていかなければならないのです。そのために、ビジネスとITサービスが相互に理解しあう上で、SWOY分析は有効なツールであるといえると思います。私なりの理解と見地から解説いたしました。有効に活用いただければ幸いです。

前田 隆

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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