オージス総研に聞く。「お客様のIT運用における課題とITILの今」 (1)

itil 2007-10-04 16:27:10

今回のITILインサイドストーリーは、「お客様のIT運用における課題とITILの今」、というテーマで、実際にITILのアセスメントやコンサルティングをお客様に提案している、CAのパートナーにお話を伺う、という企画です。

今回のパートナーは、「株式会社オージス総研」様です。運用・基盤ソリューション提供部門の部長をしていらっしゃる 大熊 康太郎氏と、現場でのコンサルティング業務に携わっていらっしゃる前田 信明氏にお話を伺いました。

■ ITILとの出会い…運用の可視化・標準化の模索

オージス総研様(以下、オージス)は、大阪ガスの情報子会社として1983年の創業以来20年あまりに渡って、エネルギー分野をはじめ様々な業種・企業のお客様の、開発・運用の受託やコンサルティングを行っているSI企業です。

UMLなどの”モデルベース開発”の分野でオージスの名を聞かれたことのある方も多くいらっしゃると思います。ビジネスやシステムをモデル化して表現、今で言う「可視化」にいち早く取り組まれていたそうです。同様にシステム運用面にも可視化、標準化をどの様に取り入れられるのかを常に模索をされていたそうです。

”なぜITILを取り入れることにしたのか”という質問に対し、オージスの大熊氏はこうおっしゃっています。

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「”運用プロセスの標準化”というテーマがありました。様々なお客様の運用に携わる中で、よりキレイに整理・体系化されたシステム運用のフレームワークが欲しい、という現場の課題が長年ありました。オージス内で蓄積されたノウハウは数多く存在する一方、それが最適であることの証明・ベンチマーキングすることが困難である、という課題です。最終的にはお客様とSLAを締結する上での有効な手段も模索していました。」

そうした中、ある外資系のお客様と接する際に「ITIL」に初めて触れ、この課題に”見事にはまる”という結論にいたり、社内に準備プロジェクトを発足、まずはオージスが提供する運用サービスのプロセス・品質の向上にITILを活用したということです。このプロジェクトの際、CAのコンサルタントに加え、オージスのコンサルタントの方が自ら加わることで、従来からの運用改善・設計ノウハウに加えて実地でのITIL活用の経験を積むことができ、現在のサービス提供に至っているのだそうです。

■ お客様のITILへの取り組みの傾向…インシデント管理にまずは着手

まずは自社が提供するサービス自体に対してITILを活用することで改善を進めたオージスですが、現在は多くのお客様に対してもITILを取り入れることを提案されています。昨今ですとオージスのお客様はどういった課題を持っておられるのでしょうか、大熊氏に聞いてみました。

「当然お客様の環境や風土、成熟度などで千差万別ですが、例えば金融のお客様。「合併」や「資本提携」等の動きも活発な業界ですが、異なる文化、またそれぞれの文化も属人化しており、それらが一つの組織になると、なかなか運用がうまくまわらない、という大きな課題があります。ただでさえオープン化・分散化が進み、言葉が悪くなりますが、様々なサーバ・サブシステムが乱立・並立・水平的に広がる中、これらの運用を束ね全体最適を実現する、というのは大変難しい課題です。そうしたITの状況に加え、合併や提携といったビジネス側からの影響。これらを統一的に運用していくには、統一的な考え方やモデル・フレームワークが必要です。昨今そういった課題解決にITILを取り入れることはデファクトになってきていると感じています。ただ、ではどういったところから取り組んでいくかとなると、一足飛びを狙うのではなくStep by Stepで着実に成熟度を向上していくのが正攻法で、「インシデント」つまりお客様からの問合せやシステム事象の管理と、ベースになる「構成」の管理。まずこの課題を解決していきましょう、という結論に至ることが多いです。」

■ スモールスタートからクイックスタートへ

ITILに対するお客様の認識や取り組みのスタイルなども変わってきているそうです。これまでは「ITILを取り入れたい」というお客様の漠然とした要望を元に、お話を進めていく上で、まずはサービスサポートから更にはインシデント管理もしくは構成管理のどちらかでスモールスタートし、部分的に導入した後に様子を見た上でさらに展開、というケースが多かったそうです。最近ではITILに取り組むことの効果は様々なところで実証されていることもあり、お客様の方で既にある程度調査・分析を進められて、「インシデント管理をやりたい」「構成管理をやりたい」と、直接お話を頂くことが多くなったそうです。また、「インシデントでも構成でも、最短で、なるべく早期に立ち上げたい」という、クイックスタートで臨まれるお客様が多くなってきているのだとか。

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オージスでコンサルティングに携わる前田氏はこう付け加えます。

「比較的大きなお客様では、自社である程度標準化されたプロセスをお持ちなので、どうプロセスを変えていくか、どの程度ツールをカスタマイズするかのご相談がメインとなりますが、比較的新しい会社など急激にITが立ち上がった様なお客様では、ツールを導入することで、そのプロセスに乗っかってしまおう、というケースも多く、実際にこのやり方で成功されているお客様が多数いらっしゃいます。

既になんらかの培ってきたプロセスがある場合、これを統一するところに主なテーマがある為、コンサルティングを通じてプロセスの標準化および最適化を行います。

逆に新しく標準プロセスを確立したいお客様では、ベストプラクティスであるプロセスはこうです、といった説明をさせて頂き、ツール導入を通じて、そのパラメータを検討して行きながらプロセスの整備を実施してしまいます。これですと例えば2ヶ月半ぐらいでのクイックスタートも可能になります。」

オージスが日々ご提案をされているお客様先では、インシデント管理や構成管理に取り組まれているお客様が多い様です。また、ITIL自体の効果は既にお客様もよくご承知の様で、部分導入による”スモールスタート” での効果確認から、いち早く運用改善に着手し、段階的に改善を進める”クイックスタート”を切られるお客様が多い様です。

この後、インシデント管理から着手することは、どの様な効果をもたらすのか、また実際に改善に着手されたお客様は、次にどういったことに取り組んでいっているのかについても、お話を伺いました。次回もどうぞお楽しみに!

木村泰介

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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