ISO/IEC 20000 概要:第7回 ISO20000規格の適用範囲

前田隆(マエダ タカシ) 2011-06-10 06:00:00

ISO20000で適用範囲の持つ意味には注意が必要です。まずは、規格の適用範囲について考察します。


 


ISO20000の適用範囲と言った場合には次の2通りの意味があります。


l  ISO20000の規格を使用することができる分野


l  ISO20000の認証取得のための申請の範囲


 


2点があります。前者については今回で扱い、認証取得申請の適用範囲については次回で解説します。


また、第3回でプロバイダの利用方法、第4回で事業側の利用方法について述べているのがこの規格の適用範囲の一部ですので参照ください。このほかに規格で適用範囲としているユニークな言及があります。


 


『この規格は、プロセスについて規定した規格であり、製品のアセスメントに用いることは意図していない。しかし、サービスマネジメントのためのツール、製品及びシステムを開発している組織は、最善の慣行(ベストプラクティス)に沿ったサービスマネジメントを支援するツール、製品及びシステムの開発に役立てるために利用してもよい。』(JISQ 20000-1より引用)


という部分です。


利用方法はいろいろと考えられるところであり、サービスとサービスマネジメントの共通理解のもとに、関連分野、あるいはたとえ関連しない分野であっても、共通の認識のもとにサービスマネジメントを活用して、事業を成功させることに注力する組織に対する利用を制限するのではなく、適切に活用してもらえればよいわけです。上記以外の分野でも応用できる領域はあると思います。


 


この規格の最も重要な適用範囲は、サービスマネジメントに対する要求事項をISO20000-1で、留意事項をISO20000-2で記述していることです。すなわち『顧客に受け入れられる品質によって運営管理される情報技術サービスを提供するサービス提供者に対する要求事項について規定』(JISQ 20000-1より引用)しています。


したがって、サービスマネジメントをSLAやサービスカタログで提示した仕様に適合した有用性と保証を提供できるようにする能力を有することを確実にするために必要な事項が記述されているということです。


 


ISO20000-1は上記のような関連からサービスマネジメントを実施する組織の要求事項として、認証取得のための審査段階で利用することを宣言しています。これにより、サービスプロバイダと監査員が共通認識のもとに要求事項を把握することができます。したがって


l  監査員が認証取得の審査を行う上での手引きを提供します。


l  サービスプロバイダが認証取得を受ける参考とすることができます。


 


さらに言及しておかなければならないのは、ISO20000-2に記述されている留意事項に対する適用範囲です。


留意事項は、認証取得のための対象となる項目ではありませんが、実践的な内容を非常に多く提示してくれています。個々の組織が、プロセス指向で改善活動していく場合に参考となる取り組みの事項や、文書化の際に考慮すべき項目です。これは、認証取得と言うよりは、その後の成熟度の向上により、顧客に価値を提供し続けることに関連が深いと考えられます。


以上


 

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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