逆境に必要な“原点回帰”の視点

経営企画室.com 2009-03-11 14:53:26

【様々な業界に広がる緊急事態宣言】

国際不況の影響が直撃した電機業界で、いよいよ「自社製品買い」要請が拡大しています。
・パナソニックは管理職約1万人を対象に7月までに自社商品を購入するよう通達
・富士通は国内社員10万人に自社製品購入を呼びかけ
・NECは国内11万人の社員に自社製品購入を呼びかけ

同時期に急激な悪化が報じられた自動車業界でも、実質的な緊急事態宣言がなされています。
・トヨタ自動車は部長級2,200人が自社新車を自主的に購入予定
・トヨタ自動車、日産自動車、ホンダが新卒採用縮小を告知
・日産自動車は全社員に対し休業日に限って8時間以内の副業を認める報道

米国でもGMの破綻を容認する情報が飛び交うなど、日々、マスコミから伝えられる情報に明るい話題はほとんどありません。年内回復という楽観的な景気予測をされる方もおられますが、経営の安全性を考えると、最悪のシナリオに耐えられる体制を考えざるを得ない状況になりつつあります。

このような環境下では、常にGood and Badの二つのシナリオを考慮して業務に取り組むことが必要になります。

経営企画部門を担当されていると、楽観的な発言をする経営者を強く戒めたいと思うシーンがままあることと思います。逆に悲観的になりすぎる経営者を励まさなければならないこともあるでしょう。

経営企画部門の役割は、最悪の状態を想定した上で、最良のシナリオに乗る努力を続けさせる流れを作り出すことと考えてください。

最悪の状態を意識することで、備えるべきリスクが明確になりますし、最良の状態にするためになすべきことを明確化することができます。経営者の思考がどちらに振れても対応できるよう、普段から備えるためには、自社や事業のSWOT分析をこまめにしておくとよいと思います。

 

【SWOT分析で自社の原点を再確認する】

企業や店舗、事業部門などの強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの項目の頭文字を取って命名されている分析ツールがSWOT分析です。

SWOT分析は4つの要因の組み合わせによって、戦略案を抽出し、最善の方策を選択しようとする分析手法です。

検討の視点

多くの強みが発見できるほど、今後考えられる事業展開の可能性は大きくなります。業績悪化企業を対象とする場合は特に強みより弱みにばかり目が行きがちですが、意識的に強みを見つける努力が必要です。
また、強みと弱みはよく考えて見ると表裏一体の関係になっていることがわかります。それらを組み合わせて、取り組み方針を決定していくことが、この分析ツールの真価であると言えます。

手法として極めてメジャーではありますが、日々変化する外部環境を変数と捉え、それを加味してこまめに再検討しておくと便利です。

現在の環境下でも、海外売上に依存しない事業構造を持ち、国内消費を前提とした企業から、最高益企業が登場しています。独自固有の価値を持ち、その企業の顧客ニーズに適応することで成長している企業が存在しているのです。
自社がクライアントから評価されているポイントを再確認し、リソースを集中させるなど、企業・事業の原点回帰を検討しましょう。

 

中野 靖識中野 靖識
ビジネス全般にわたり幅広いコンサルティングフィールドを持つ。特に流通関連ビジネスに関しては、戦略立案から売場改革まで、多数の経験を有する。主にコンシューマー向け企業の現場における具体的な活性化業務に従事し、メーカーの営業戦略立案、展開サポートに多くの成功事例をもっている。著書に『成果をあげる営業の上司力』(中経出版)がある。

※このエントリはZDNetブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet編集部の見解・意向を示すものではありません。

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