危機感の熟成

こまつ みつのり(Mitsunori Komatsu) 2008-04-17 12:54:09

橋下大阪府知事がわずか1カ月で上げた大きな功績という記事を読みました。

橋下知事の政策やその評価については、新聞やらWebやらの情報を(話半分で)耳に入れている程度なので、そういったところに言及はしません(できません)が、この記事で「なるほど」と思った点は、

財政再建にとって最も重要な「危機感」の醸成に成功している

というくだり。

良い表現だなぁと思いました。「危機感の熟成」。上から押し付けられるのではなく、各個人の内側からふつふつと発生している感が出ています。

危機感という言葉にはマイナスイメージがあるかも知れませんが、私はソフトウェア開発プロジェクトにおいて適度な危機感は必要だと思っています。

技術的な不安要素、スケジュール、品質、そういったリスクに対して、目をつぶらず客観的に冷静に判断することは、正直怖いし辛い。できることなら楽観的に「何の問題もなし、順調順調」といきたいところです。でも、そうすると最終的には、そのプロジェクトに関わる全ての人達がつらい思いをします。そこで、危機感に灯をともしリスクと向き合い、見たくないものから目を背けずに淡々と問題を解決していく。それがプロジェクトの成功につながっていきます。まぁ、この辺は個人的経験からくるイメージなんですが。

ただ、プロジェクトの規模が大きくなっていくと、この危機感というやつが偏りがちになります。プロジェクトリーダやサブリーダ達が焦りに焦っている一方、プログラマやテスターは作業指示以外の情報がこないため、平和に作業を進めるものの、最終的には隠されていたリスクが爆発して上から下まで火の車になってしまうケースがあったりします。これは、プログラマやテスターが悪いといっているわけでは無く、あるものが欠けていたからだと思います。

それは「当事者意識」。

当事者でない人には危機感が湧きにくいものです。プロジェクトと開発者との間のインターフェースが「作業指示だけ」ではプロジェクトに対して思い入れできません。思い入れのないプロジェクトだと、自分が当事者だという気持ちもでてきません。

逆に、開発者全員がプロジェクトの当事者という気持ちを持ち、健全な危機感を共有できると、もの凄いパフォーマンスを発揮します。「プロジェクトの成功」という目標に向けて自発的に協力し合う、という結構感動的な状況になったりします。

そのためには適切な情報公開が重要だと思っています。「開発者は知らなくていい情報だから」、「プロジェクトの問題点を伝えて不安にさせたくないから」という理由で躊躇せず、情報を共有しプロジェクトへの思い入れを強めていくことが成功への第一歩ではないかと思います。

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